NVIDIAのジェンスン・ファンCEOとの孫正義氏が語り合い、3000人が聞き漏らすまいとした全て 孫氏が10年前、ファン氏に伝えた「市場はNVIDIAの価値を理解していない」
ファンさん 「あなたは生活のすべてを知るAIエージェントをイメージしていますね」 孫さん 「そうです」 「子どもたちの成長をサポートしていきます。個人用のAIエージェントは“第二の自分”のように、子供の頃から共に育ち、あなたのすべてを知っていて、体調も、学んだことも」 ファンさん 「読んだことも、話したこともすべて記憶してくれている。“パーソナル・アリストテレス”のようなものですね」 孫さん 「その通りです。もうすぐ現れると思います。日本独自の知識や文化を持ち、そこから生まれたエージェントです。素晴らしい未来が待っています」 ■「誰かに自分の脳を差し出すようなことです」 ファンさん 「各国が目覚めつつあることのひとつが一つの重要なこと、それは国のデータ、国民のデータです。その国の知識や文化をエンコード(記号化)しているものです。そのデータはその国に属するものです」 孫さん 「ナショナルセキュリティー。国家安全保障です」 ファンさん 「各国はそのデータを自国で処理し、自国のためのAIを構築する必要があり、それを他国に委託するのは違うと思います」 孫さん 「これは非常に重要であり、それぞれの主権者、それぞれの国、それぞれの政府は、自国の国家安全保障データを自国のAIデータセンターに移行させなければならない。それぞれの国で、安全なデータ・セキュリティーを確保しなければならない」 ファンさん 「各国が独自のAIを作り、それぞれの企業もまた独自のAIを作り出すでしょう」 「企業が独自のAIを作らないのは可能だと思いますか?」 孫さん 「他の誰かに自分の脳を差し出すようなことです」 ファンさん 「その通りですね。世界はこの考えに目覚めつつあります。そして最初に必要なのは、ナショナルグリッド、AIグリッドです」 「道路がなければ自動車産業が成り立たないように、あなたは日本のAIの道路を建設しました。インフラがあってこそ新しいサービスや企業が発展できますね。とてもワクワクしています」