元レッドソックスのシリングが口腔がんを告白
2度のワールドシリーズ優勝に貢献、通算216勝の元レッドソックスのカート・シリング氏が、20日(日本時間21日)、口腔(こうくう)がんである事を、出演したボストンの地元ラジオで告白した。今年2月にがんであることを明らかにした闘病中のシリング氏は「疑いなく噛みタバコがその原因だと考えている」と語り、30年間に及ぶ噛みタバコの習慣について「私が、決してやらなければ良かったと後悔している危険な中毒習慣だ」と発言した。 レッドソックスが、5月に2014年のワールドシリーズ優勝の功績を讃える記念行事を行った際にシリング氏は、病床からフェンウェイパークに駆けつけ、久しぶりにファンの前に姿をみせた。抗がん剤治療を受けている同氏は75パウンド(約34キロ)も痩せ、その姿は壮絶な治療と闘病の厳しさを物語るものだった。その際、本人と話をする機会があったというレッドソックスのファレル監督は、20日の試合前にメディアに対応した際、「彼の苦しみを実際に目の当たりにして、ショックだった。かれの告白は球界に大きなインパクトを与えることだろう」とコメントした。 去る6月16日にはメジャー通算3141安打で、殿堂入りしているトニー・グウィン氏が享年54歳という若さで唾液腺癌のために死去したことも球界に衝撃を与えた。グウィン氏も愛好していた噛みタバコが癌の原因と考えていたことが報じられ、7月にオールスターが開催されたミネアポリスでセリグ・大リーグコミッショナーが「噛みタバコの規制は、次の労使協定で話し合われる論点になるだろう」と注目発言。球界で噛みタバコの規制が論じられていた矢先の衝撃告白だった。 大リーグでは、93年にマイナーリーグでの噛みタバコが全面禁止され、11年に機構と選手会が締結した労使協定では、TVインタビュー中の使用が禁止されるなどしていたが、習慣化している選手も多く、試合中にグラウンドに唾をペッペッツと吐き捨てている姿をみたことのあるファンも多いだろう。