侍J投手陣は「戸惑うかもしれない」 WBC世界一右腕が分析…豪州代表の上位打線
渡辺俊介氏は2006年第1回WBCの優勝メンバー
現在、社会人野球の日本製鉄かずさマジックを率いる渡辺俊介監督は、13年間のロッテ時代に通算87勝をマーク。現役時代は、国際大会の経験も豊富な稀代のアンダースロー投手として活躍した。 ――練習試合を経て、今回の豪州代表の印象はいかがですか? 「練習試合だったこともあり、いろんなことを試しているなと感じました。バッターは強く振れるボールが来るのをしっかり待っている印象でした。また、ピッチャーは左のサイドなど、バラエティに富んだ投手陣で豪州らしいなと感じました。そんな中で、バントだけのために出てくる選手や1アウトからのバントなど、細かく点を取ろうとしてくることが昔はあまりイメージがなかったので印象的でした。全米ドラフト1位の1番打者であるトラビス・バザーナ内野手はスピードがあるので、上位打線の彼が塁に出るとチームが盛り上がるなという印象です」 ――他に印象に残った選手はいますか? 「2番打者のアーロン・ホワイトフィールド外野手のタイミングの取り方や、ボールに対してリラックスしてしっかりと待てる、あのスタイルは日本にはあまりいないので日本の投手は最初、戸惑うかもしれないと感じました」 ――海外での野球経験もある渡辺監督。海外でプレーするにあたり、日本の選手が気をつけるべきことはありますか? 「驚かないことです。けん制球の投げ方だったり、審判だったり、球場までのバスが遅延してしまったりだとか、国際大会は普段と違うことが起きます。何があっても驚かずに『何とかなる』と落ち着いて対応することが、国際大会では一番大事だと思います」 ――日本代表に期待することは? 「日本らしく戦っていけば、自ずとチャンピオンに近づくことができると思います。井端弘和監督も大変かと思いますが、自然体でプレーして、隙のない野球をしていけば問題ないと思います。 ――その一方で、豪州代表に期待することは? 「豪州代表は、いつも紳士的で気持ちの良い野球をしているイメージがあります。そういったプレーをする姿勢をプレミア12でも見せてもらい、観戦するファンの方も気持ち良く楽しんでほしいなと思います」 日本で順調な調整を続ける豪州代表は、13日にバンテリンドームで侍ジャパンと大会初戦を迎える。今回紹介した選手を中心に、ぜひ注目してほしい。
「パ・リーグ インサイト」高木隆