市場問題PTが8回目の会合(全文1)第1次報告書の素案の課題を説明
築地のデータ
今度は築地のデータを見ます。で、これは以前、市場のほうから出されたもので、ここから3割減とこういうことを言っております。では平成元年から見るとどうなのか。この平成2年に、のちに出てきますが、築地再整備計画というのが出てきました。その計画がなされてから現在どのくらいか。だいたい半分ぐらいになっています、取扱量が。青果はどうか。40%強、この25年の間に減っているというデータがあります。 築地は28万平米ですね。皆さまはご存じかどうか分かりません、前1回出しました。平成2年の築地再整備は失敗した。そうです。失敗したんですが、これは築地の1.9倍です。これを平成2年に考えた。こんなものをつくっていたら今頃、取扱量が半分ですから、ものすごいすかすかになっているはずですね。こういうものをつくろうとしたのが築地再整備計画です。 素晴らしい計画ですね。これが当時の計画です。で、豊洲新市場、これから伸ばすぞと、141%伸ばす、青果は127%伸ばす、こういう計画であります。で、先ほどの、全国的に取扱量が減っているという中で、もしこの豊洲市場がうまくいって、141%、127%の計画値を達成した、そのときの首都圏の卸売市場どうなっているだろうか。独り勝ちですね。で、ほかの市場はどうなっているだろう、あるいは首都圏の他の市場はつぶれているかもしれない、全体のパイが減るので。 そうするとこれがうまくいった場合の首都圏全体の卸売市場の再配置、役割ということを考えないと全体のパイが広がればいいわけですが、広がらない場合には周りが沈没して、豊洲だけが生き残っている、こういう状況になることは容易に想像される。で、うまくいかなかったら宝の持ち腐れと、こういうことになるわけです。 豊洲市場が約1.7倍です。そういう意味では築地の1.7倍というこのものを、取扱量の減少の中でどういうふうに使っていくかっていうのが課題になります。そこで、今後の市場のあり方の議論は、政府のスタンスは、今まで個別市場での経営を自己完結化していました。で、これをマーケットを見据えた公益連携視点で考えなきゃいけない。それから実際に運営してきた人は経営っていうことを考えていなかった。今後は経営を考えなきゃいけない。それから地方と東京はやっぱり違うかもしれない。東京はマーケットの規模、投資規模も非常に大きいということであります。 投資戦略の視点とシナリオです。これは1つの可能性ですが、青果と水産を分けてしまう。そして機能を分けて再編をするという方法もあるかもしれない。そのときに買い回りはどうなるのか。買い回りは物流機能の向上で解消ができると。そういうことを考えると11の市場の再編も視野に入ってくる。これは部門ごとの再編ということもあります。あるいは東京以外の、首都圏の市場の再編ということの視野に入って考えないと全体のパイが減っていく中で豊洲市場というもの、あるいは築地市場というものを、どういうふうに位置付けていくか、こういう問題になるだろうというのが市場のあり方の視点でございます。