50歳、300万円の定期預金が満期を迎えます。銀行から「このお金、外貨預金しませんか?」と言われました。50代の外貨預金は老後資金作りに向いていますか?
Aさんは50歳。300万円の定期預金が満期を迎え、銀行から「このお金で外貨預金をしませんか?」と提案されました。 年齢的にも、老後資金作りが視野に入っているので、この方法が適切なのかどうか判断に迷っているそうです。外貨預金をすべきかどうか、判断する方法を解説します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
外貨預金がよいかどうかを判断する方法
外貨預金が適切かどうかは、 (1) 外貨預金のメリット・デメリットを知る (2) 他の商品と比較する (3) 老後必要資金から考える この3つのポイントから判断するとよいでしょう。以下で、順に確認します。
外貨預金のメリット・デメリット
外貨預金のメリットの一つは、金利の高さです。低金利の日本円に比べると、外貨預金の金利は高く設定されています。また為替の影響を受けるため、預入時より円安になれば為替差益を得ることができます。 デメリットとしては、円高になると為替差損が発生すること、為替手数料があることや預金保険制度の対象外であることなどが挙げられます。 外貨預金をする前に、為替手数料の金額の確認と為替の損益分岐点をシミュレーションしたうえで判断するとよいでしょう。シミュレーションは銀行のホームページで行うことができますが、下記に例を示します。 例えば、1ドル150円のときに金利4%のドルの定期預金に300万円を1年預けるとします。仮に1年後も1ドル150円として単純に計算すると、利息は300万 × 4% = 12万円となりますが、実際手元に残る利息は約7万5000円です。実質利回りは、2.5%ほどです。 なぜなら、利息には約2割の税金がかかるうえ、円からドルに、ドルから円に交換する際、為替手数料が発生するためです。今回の計算では、片道0.5銭の為替手数料が発生する前提で計算しています。 1ドルあたり0.5銭の手数料がかかるため、例えば預入時は約1万円の手数料がかかります。税金と手数料がかかるため思ったほど増えないという印象を持ったかもしれません。 この例の場合、為替レートの損益分岐点は146.3円ですが、損益分岐点は為替手数料や金利によって異なりますから、他の銀行と条件を比べて判断するとよいでしょう。