笑いあり、涙あり「無敵ドラマ」が配信!リリー・フランキーさん×斎藤工さんスペシャル対談
「この世界の住人になりたい」。そんなことを思わせてくれる、幸せなドラマがある。気楽でのんびり、だけどそこにいる誰かの仕草や言葉が、あとからじわじわ効いてくる。その中心にいるのが、このふたり。まるでドラマの続きのように、粋な会話が始まった。 【写真】有名人が語る!大人の心に響く言葉
無敵の“バカドラマ”、1月から配信されるからよろしく!
リリー・フランキー(以下リリー) 僕と斎藤工くんが出ている配信ドラマがありまして、『ペンション・恋は桃色』っていうんですけど。 斎藤工(以下斎藤) なんか、ラブホみたいなタイトルってよく言われますね。 リリー 細野晴臣さんの『恋は桃色』っていう曲が主題歌で、ついでにタイトルをそのまま使っているという。season1には細野さん、僕の父親役で出演もしてくれました。で、’25年の1月からseason3(全5話)が配信になるんだけど、season1と2を、誰も見てないわけ(笑)。 斎藤 そんなことないと思いますけどね(笑)、season3まで作ったんだから。誰も見てないなんて言うと、よけい誰も見ないじゃないですか。 リリー だからこのエクラの対談は、『このドラマを見よう!』、っていうのがテーマ。 ――都会から離れたペンション『恋は桃色』のオーナー、シロウ(リリー・フランキー)は働く意欲はないけどスケベでテキトーな中年男。シロウの娘、足の不自由なハル(伊藤沙莉)がペンションの仕事を一手に引き受けている。そこにひょんなことから居つくようになったのが謎の青年、ヨシオ(斎藤工)。ペンションにはさまざまな人が泊まりに来て、小さな事件がさざ波のように起こっては消えていく。
リリー season1が始まるとき、僕はインタビューでこのドラマを“バカドラマ”って言ったんだけど、未だにそう思ってます。もうね、バカみたいに低予算で、みんなで同じペンションに泊まり込んで、6日間で全5話を撮ってしまう。合宿みたいなもんです。夕飯のあと、工くんがお風呂に入っていると覗きに行ったり。寝る前にリビングでみんなワイワイ、明日の撮影はどうしようかって話していて。 斎藤 だからってギュウギュウに深夜まで撮影しているわけでもなくて、けっこう朝なんかゆっくり始めるんですけどね。現場の雰囲気がとてもいい。 リリー 労働環境はブラックじゃない。設定がブラックなの(笑)。スタッフがとても若いし、ドラマ未経験だった人がどんどん知恵を吸収して成長してるから、現場も活気があるというか。この人たちじゃなければ、season3だって1週間で撮りきるのは無理だったと思う。照明なんかの待ち時間はなし、本番は1回。ふつうのドラマは、何度も同じシーンを取り直して、1話に1週間かけるのが当たり前だから。 斎藤 本当にね、このメンバーでこの撮影をしているのが、楽しいんです。この楽しさは絶対、よそでは味わえない。 リリー 楽しく良いものを作るっていうのは、幻想だと思っていたけど。唯一この作品では、それができているんですよ。 斎藤 ま、ストーリー的には、大した事件は起こらないんですけど。僕が知り合いと居酒屋で飲んでしゃべっているだけっていう謎のシーンが毎回必ずあるんですけど、そこはもう完璧にアドリブだけ。主にJOYクンが仕切ってます(笑)。