フリーランス新法でどう変わる?フリーライターが行政と法律の専門家の話を聞いてきた【11/1施行】
トラブルを一人で抱え込まないで。110番窓口の活用法
法律ができても、立場の弱いフリーランスからは権利を主張しにくいのでは?──そんな懸念に対する具体的な解決の仕組みも用意されています。厚労省の委託を受けて第二東京弁護士会が運営する無料の相談窓口「フリーランス・トラブル110番」です。 この事業に携わる弁護士の堀田さんによると、やはり一番多いのが「お金が支払われない」という相談だそう。 「窓口では具体的な交渉方法や伝え方のアドバイスも行なっています。状況に応じて行政による調査や指導につなげることもできるので、直接言いにくいことでも、まずは相談してみてください」(堀田さん) 「違反行為には厳正に対処していく」と話すのは、公正取引委員会の武田さん。「ただし、目的は健全な取引環境の整備です。まずは法律の理解を深め、適切な対応を促していきたい」と説明します。
より良い協業を守る「盾」として活用したい
フリーランス協会の平田さんからは、新法の施行に合わせて、実務的なサポートツールの提供を開始するという嬉しいお知らせが。 「11月15日にリリースする『かんたん!契約書メーカー』は、フリーランス法に完全対応した無料ツールです。堀田さんをはじめとする「フリーランス・トラブル110番」担当弁護士の先生方に監修いただいて、フリーランスに不利にならない安心な契約書が作れるサービスを作りました。成果物の検収方法や著作権の取り扱いなど、細かい条件設定もできるようになっています」(平田さん) 発注者も受注者も使うことができ、スマホやPCから簡単な質問に答えるだけで、自分に合った契約書を作成・ダウンロードできるとのこと。フリーランスにとっても、良質な仕事を継続的に依頼したい発注者側にとっても、こうしたツールの登場は心強いニュースです。 フリーランス法は、決して窮屈な規制ではありません。むしろ、フリーランスと発注者が対等なパートナーとして協業していくための基盤となるもの。最後に平田さんが語っていたように、自分の権利を守る「盾」としてこの新法を活用しながら、より良い取引環境を広げていけたらと感じました。 Source: フリーランス協会
田邉愛理