2016年の鉄道を振り返る 鉄道ライター・伊原薫
2016年の鉄道を振り返る 鉄道ライター・伊原薫 THEPAGE大阪 映像・編集:柳曽文隆
いよいよ2016年も残りあとわずか。今年も鉄道業界では様々な出来事がありました。そこで、2016年に話題となった鉄道トピックを10個選出。あなたの記憶にはいくつ残っていますか? 【拡大写真と動画】阪堺電気軌道車庫へ潜入 日本一古い営業車両から新型も
1月・リニア新幹線・品川駅着工(1月)
東京~名古屋~大阪を結ぶリニア中央新幹線で、東京側の起点となる品川駅の工事が着工されました。すでに各地でトンネルなどの工事は始まっており、2027年の東京~名古屋間開業に向けて着々と準備が進められています。なお、山梨県内にある実験線では現在も試験走行が続けられていて、一般希望者を対象とした試乗会も定期的に実施されています。
阪堺電気軌道 住吉~住吉公園間が廃止(1月)
「ちん電」こと阪堺電車のうち、朝の一部時間帯だけ運行されていた住吉~住吉公園間が1月30日の運行を最後に廃止。 この区間は平日5往復、土休日4往復のみのダイヤで、朝8時30分頃には”終電”が発車することで知られていました。廃止にともない、住吉駅前にあった路面電車の線路が平面交差する「ダイヤモンドクロッシング」も撤去。多くの鉄道ファンがカメラを構え、別れを惜しみました。
JRがダイヤ改正、北海道新幹線が開業(3月)
3月26日に行なわれたJRのダイヤ改正。目玉となったのが北海道新幹線の開業で、新函館北斗から東京を経由して鹿児島中央まで、新幹線で結ばれることになりました。とはいえ、東京駅で東北新幹線と東海道新幹線の線路はつながっていないため、「新函館北斗発鹿児島中央行き」という列車が走るのは、まだまだ夢のままです。 一方で、これまで青函トンネルを経由して東京と北海道を結んでいた、寝台列車「カシオペア」も定期運行を終了。前年には同じく北海道と本州を結ぶ「トワイライトエクスプレス」「北斗星」もその歴史に幕を下ろしており、残る夜行寝台列車は「サンライズ瀬戸・出雲」だけとなりました。
京都鉄道博物館がオープン(4月)
JR西日本が建設を進めてきた、京都鉄道博物館がオープン。梅小路蒸気機関車館と交通科学博物館を統合し、さらに新たな保存車両も収蔵。延床面積3万平方メートル、展示車両数53両は日本最大規模を誇ります。 展示車両のうち蒸気機関車(SL)が20両を数え、うち8両は自走可能な状態なのも特徴。館内には鉄道員の様々な仕事が体験できる仕組みのほか、SLの検修施設も新設され整備の様子を見学できるなど、見て・さわって・体験して鉄道を学べる施設になっています。