日本は世界でも希少な樹氷スポット! 一度は見ておきたい冬の絶景「スノーモンスター」の楽しみ方とは
一度は見てみたい、日本の冬の景色のひとつ「樹氷」。聞いたことはあっても、実際に見たことがある人は意外と少ないのではないでしょうか。今回は樹氷ができる仕組みや名所などを詳しくご紹介していきます。 【写真】まるでモンスターのような樹氷をチェックする(全8枚)
特定の気象条件が重なり発生する“自然の芸術品”
樹氷はいくつもの気象条件が重なった時にしか見ることのできない、とても珍しい現象です。樹氷が発生する条件は、降雪量が適量であること、アオモリトドマツなどの常緑針葉樹が自生していること、西高東低の強い冬型の気圧配置、気温が0℃以下で、時に氷点下10℃の猛吹雪になることなど。 さらに前述した条件をクリアした上で、常緑針葉樹に霧状の水滴が木にぶつかって凍りつく「着氷」、吹雪などで着氷の隙間に多くの雪が取り込まれる「着雪」、雪がくっつき風上に向かって成長する「燃結」を繰り返すことで樹氷が完成します。
樹氷が見られるのはどこ?
まるで雪が木をコーティングしたような見た目となる樹氷。成長すると5mを超すものもあり、真っ白で巨大な姿が怪獣のように見えることから、「スノーモンスター」や「アイスモンスター」などの愛称で呼ばれています。 日本国内で樹氷が見れるのは、山形や宮城などの東北、北海道や長野、三重など。じつは樹氷は世界的にも珍しい減少で、なんと国外では“黒い森”と呼ばれるドイツのシュヴァルツヴァルトでしか見ることができないそう。 日本の樹氷スポットとして有名なのが、山形と宮城にまたがる「蔵王」、秋田の「森吉山」、青森の「八甲田山」。日本三大樹氷とも言われています。
「日本三大樹氷」の楽しみかた
規模や壮観さ、豪快さが“日本一の樹氷”と称されるのが青森の「八甲田山」。見頃は2月頃となり、1カ月前後しか見ることができない貴重な景色となります。八甲田山の樹氷は、ゲレンデから眺められるのが特徴。スキーやスノーボードで、樹氷の間を縫って滑走することができます。 秋田の「森吉山」では、ゴンドラで行ける山頂駅舎から気軽に周辺の樹氷を楽しめます。山頂駅舎で長靴やスノーシュー、和かんじきなどの貸し出しをしているので、樹氷を眺めながらゆっくり散策することも可能。キャビン付き圧雪車で、夜の樹氷を鑑賞できるナイトツアーも開催されているのでおすすめです。 温泉やスキー場も人気の「蔵王」には、雪原を埋め尽くすほどの樹氷原が。ロープウェイで気軽に行くことができ、夜間には色彩豊かなライトアップもおこなわれます。毎年開催されている樹氷まつりでは、松明滑走やスタンプラリーなど、大人も子供も楽しめるイベントが盛りだくさん。 世界でもかなり珍しい現象である樹氷を見ることができる冬の日本。自然が生み出す“奇跡”とも言える現象を、ぜひ一度は体験してみてください。
野中陽平