エアコンが効いた車内でも“熱中症”になる可能性が!?「運転中の熱中症対策」について考える
TOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」内でお送りしている「JA共済 presents なるほど!交通安全」。5月31日(金)放送のテーマは「運転中の熱中症」について。滋賀医科大学 社会医学講座 一杉正仁(ひとすぎ・まさひと)教授に、車内での熱中症対策について伺いました。
◆エアコンが効いた車内でも熱中症の可能性が!?
気象庁が発表した5月~7月の予報によると、気温は全国的に平年よりも高くなる見込みで、6月でも30度以上の真夏日になる可能性があるとして、早めの熱中症対策を呼びかけています。 今の時期の一般的な外気温は22~23度ですが、車内の温度は、それよりもかなり高くなることがあります。炎天下の場合は、車内エアコンの温度を25度にしていても、車内の冷却が追いつかない場合があります。一杉教授は「外気温が20度ぐらいであっても、日が照っていると車内の温度が40度を超える場合もあります」と説明します。 さらに、強い日差しが乗車する人に当たっていると、皮膚表面の温度と体温も上昇し、その状態が続くと熱中症のリスクが高まります。車内でエアコンをつけていても熱中症になる可能性があることを頭に入れておきましょう。
◆車内でできる熱中症対策
ドライバーが車内で熱中症にならないようにするには、どのような対策が考えられるでしょうか? エアコンの効いた車内は湿度が低くなります。つまり、体内の水分を取られて脱水症状になりやすいため「頻繁に水分を摂っていただくことが重要だと思います」と一杉教授。 また、長時間の運転は、室内温度や体温の上昇に気付きにくくなる要因になるので、適度に休憩をはさむことを心がけましょう。特に高齢の方は、温度の変化を感じづらくなり、体温の調整能力も低下しますので、より一層の注意を払って運転する必要があります。身のまわりに高齢ドライバーがいる方は、長時間の運転を避けること、こまめな水分補給をすることが大切であることを伝えてください。 自動車の運転は、非常に複雑な認知・判断と操作能力が必要とされますが、車内温度が高いと、集中力がなくなって認知能力と判断能力も低下するなど、交通事故を起こしやすい状況になるため非常に危険です。 重度の熱中症は、痙攣を起こしたり、意識を失ってしまう可能性があります。現在、自動車事故の約1割は“運転者の体調変化”が原因と言われています。そして、一番怖いのは自身に熱中症の初期症状が出ているにも関わらず、疲労感や集中力の低下に気づかないケースです。改めて一杉教授は「(運転していて)ボーっとしたり、少しでも“普段と違う”と感じたら、すぐに車を停めることが重要です」と呼びかけました。 これから暑い季節が始まります。こまめな休憩と水分補給を取り、熱中症対策をきんとして安全運転に努めましょう。 (TOKYO FM「JA共済 presents なるほど!交通安全」放送より)