離党の背景に「安倍さんの天の声」…世耕弘成議員が騒動後初の「会費2万円パーティー」で話したホンネ
「政倫審も出ているし、記者会見も質問が尽きるまでキチっと説明させていただいている。セミナー開催に問題はないと思っております」 【画像】夫・小泉進次郎氏を甲斐甲斐しく支え…滝川クリステル「衰え知らずの美スタイル」発見撮 本誌記者の質問に、憮然とした表情でそう答えるのは世耕弘成参議院議員(61)だ。 6月8日にFRIDAYデジタルで報じたように、6月27日、都内の高級ホテルで「世耕弘成政経セミナー」という名称のパーティーが開催された。会場は都内の有名4つ星ホテルの宴会場。セミナー名を記した看板はなく、「写真・動画撮影・録音はご遠慮ください」と明記された掲示板が随所に立てられ、一見しただけでは何の会合が行われているか分からない。パーティー終了後、出てきた世耕議員に「説明責任が不十分と言われる中、パーティーを開催することに問題はないのか」と問いかけた記者の質問に、返ってきたのが冒頭の言葉だ。 会の名称はあくまでも「セミナー」となっているが、その内容は裏金問題で取り上げられた政治資金パーティーそのものだ。全国紙政治部記者は「名前こそ変えているが、れっきとした政治資金パーティーだ」と語る。 「このセミナーは、会費として2万円がかかることを見れば分かるように、政治資金パーティーといえます。当日は100人以上が出席したようです。政治資金パーティーに関する裏金問題では、世耕氏は1000万円を超える不記載が発覚し、記載していなかった1542万円の使途を新たに追記しましたが、その中には高級シャンパンのドンペリを購入した領収書がいくつかあり、『政治資金で買う必要があるのか』と、批判を集めました。 党の処分で上から2番目に重い「離党勧告』を受けて、4月4日に離党届を提出していますが、その後は取材にもほとんど応じていません。この時期に開催したパーティーで何を話すのか取材したかったのですが、それもシャットアウトでした。安倍派5人衆の1人で、参議院幹事長、それも『参議院のドン』と称され長年政界に君臨してきた人です。離党しても、こうした疑問に対し説明する責任はあると思います」 「完全非公開」で行われた、世耕議員の政治資金パーティー。出席者は、事前に会費を支払った人たちだけだ。会食はなく、昼12時から午後1時まで行われたこのパーティーで、世耕議員は約45分間にわたり講演している。一連の問題のあと、初となる政治資金パーティーを開いた世耕議員は、果たして何を語ったのか。本誌は、その講演の録音を入手した。 講演のはじめ、世耕議員は離党のいきさつについて雄弁に語っている。(以下「」内の発言について、明記のないものはすべて世耕議員) 「5年間で1500万円、まぁ1年で300万円の還付を受けていた。それが不記載になっていた。それが派閥全体で長年行われていたということで、たいへんな政治不信を引き起こす結果になったことについて、みなさんに心からお詫びを申し上げたいと思います」 口調はあくまでもハキハキとしている。 「私自身は、言いたいことは、いろいろありました。記者会見でも質問は尽きるまで受けました。政倫審でもですね、大変厳しい質問に対して、全部私は論理的に返したつもりであります。国会は政治とカネの話ばかりをやっている状況になっている。これはどこかで決着をつけないといけないという思いが、私の中でフツフツと沸き上がってきまして、離党勧告処分が出たら即・離党しようと事前に決断をいたしました」 会場は静かなままで、大きな反応もなかった。裏金問題の釈明を聞いた参加者の一人は「明快な口調で、ヒーロー気取りとも思える発言が続きました。ここまで正当化されると、逆に少し引いてしまいます」と感想を口にした。 裏金問題についての自身の考えを語り続ける世耕議員。中には、こんな発言も飛び出した。 「まあ、それでも大きな挫折でありましたし、政治的試練だと思っています。私、これまで順調すぎたんですね。これもおそらく天国にいる安倍さん(晋三・享年67)からの、『お前もたまには1回くらい挫折しとけよ。そのほうが一皮むけて大きな政治家になれるよ』という天の声かなと思いながら、この試練を前向きに受け止めて上を向いてしっかり進んでいきたいと思っています」 6月19日に政治資金改正法が参議院本会議で可決・成立してから、わずか1週間足らずでの開催となった今回のパーティー。前出の自民党関係者は「さすがに時期尚早ではないか」と疑問を呈する。 しかし、世耕議員は次の解散総選挙での衆議院鞍替えが噂されており、早急な支持者への説明のために、背に腹はかえられなかったのかもしれない。名称を変え、メディア排除のなか開催に踏み切った裏側からは、世耕議員のそんな焦りが垣間見えた。 有料版「FRIDAY GOLD」では、世耕氏が語った「岸田首相への思い」や「政治資金パーティーへの考え」について、写真とともに詳しく報じている。
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