世界的ガーデンデザイナーが手がけた美しすぎる庭園を拝見!オランダの絶景庭園に隠された驚きの秘密とは?
地球と共鳴する心地よい居場所=「グラウンドスケープ」を求めて、世界中を旅した造園家の齊藤太一さん。 【写真集でチェック】オランダの庭園が美しすぎる!世界的ガーデンデザイナーのプライベートガーデンを訪ねて 今回はオランダへ。 世界的に有名なガーデンデザイナー、ピート・オウドルフのプライベートガーデンを訪れました。多彩な花が美しい庭園で、齊藤さんは何を感じたのでしょうか?
「自然のなかにどう身を置くべきか」を探しに
仕事で北海道へ通っていた頃、訪れるたび、自然のスケールの大きさや素晴らしさに、しばらく立ち直れないほど圧倒されていました。 昔、人類がよりよい土地を求めて移動し続けていた時代、家は単純に安全に眠るための場所だった。農業を発見し定住することで不動産という価値が生まれてくる。 耕作は豊かなことと捉えられるけれど、自然から搾取する現代社会の根源でもある。 “ファーム”をどう読み解いていくか、豊かな自然のなかにどう身を置くべきか―― そんなことを考えていたとき頭に浮かんだのが、ランドスケープデザイナー、ピエト・オウドルフのプライベートガーデンでした。
自然と都会の共存の可能性を感じる庭
オランダ郊外の森の景色を阻害することのない、自然のままのような牧歌的な庭。現代的な自邸が立つ一方で、そこが農家だった時代の納屋も残されている。新旧どちらへもリスペクトがある穏やかな風景に、ネイチャーとアーバンの共存の可能性を感じたのを覚えています。 彼が植栽を手掛けたニューヨークの「ハイライン」も、NY近郊に自生する樹木や草花が自然に近い環境のなかで季節ごとの輝きを持続するよう計算がなされています。 なかでも、季節ごとに異なる色をあふれさせる「花」の存在が見事。実は、花というのは生態系の豊かな土地でないと育たない、“本質的な豊かさ”を象徴するものといえます。
“地球に生きる価値”に気づける、 花のある暮らし
自然な環境に身を置きたいと別荘をもったり移住したりしながら、一方で都会の便利さを諦められずせっかくの豊かさを壊してしまいがちな我々。 虫や鳥を引きつけるために多彩な色・香りを身に付けた花が、高い知性をもつ人類の感覚に与えるメリットは計り知れません。 花のある暮らしは、“ほんとう”がある土地で“ほんとう”に囲まれて暮らすことの大切さ、地球に生きている価値を気づかせてくれる。 「格好いいグリーン」の先、「優しくなれる花」に今とても注目しています。