『ザ・トラベルナース』岡田将生の「頑張ってください」は心に響く 2組目の“親子”共演も
『ザ・トラベルナース』(テレビ朝日系)第4話は、歩(岡田将生)の過去にフォーカスを当てた物語。2022年8月・シカゴの病院内で患者の心肺停止による緊急コール=コードブルーが院内に鳴り響き、歩が階段を駆け上がる姿からスタートする。 【写真】中井貴一と10年ぶりの共演となった白本彩奈 病室に入ると、歩の患者・斉藤加奈(天野はな)が心臓マッサージを受けている。ドクターに代わり、加奈に心臓マッサージを続ける歩は「頑張れ!」と声をかけるが、心電図モニターの心拍数は0を示すのだった。 2024年、西東京総合病院。コードイエロー=行方不明患者あり、さらにコードホワイト=暴力の発生、がそれぞれ院内職員に知らされることになる。その後者は、歩に対しての暴力。入院患者・斉藤四織(仙道敦子)が起こしたものだ。 第4話では、モンスターペイシェント、いわゆるクレーマーの患者である四谷純子(西尾まり)が異彩を放ち、口コミサイトに歩への誹謗中傷の書き込みをしたり、配膳のすり替えを行い四織の食物アレルギーを起こさせたりと、まるで四谷が全ての犯人かのように進んでいくが、真犯人は四織。歩に娘のかなを殺されたと思い込んだ逆恨みから、四織は西東京総合病院にやってきたのだった。 シカゴと日本を結ぶ、親子のテレビ電話。そこで四織は歩が加奈にかける「頑張れ」という言葉を聞いていた。しかし、その時すでに加奈は助からない運命にあった。そのことを知りながら、歩は「頑張れ」と声をかけた、そのことが母親からするとボロボロになって死んでいったと思わせてしまったのだ。 憤怒の形相の四織に、歩は「患者の気持ちなんてわかりませんよ。『頑張れ』って言って何が悪いんです」と開き直った態度を取る。歩につかみかかる四織は金切り声で「人殺し!」と叫ぶ。そして、コードホワイト。 歩が患者に対して酷い態度を取るのには理由があった。それは、病気の治療を諦めている四織に手術を受けさせるため。恨みを生きるモチベーションにするためだ。シカゴの病院で加奈に前向きな言葉をかけていたのは、母を安心させたいという加奈との約束。自分を犠牲にしてでも患者を思う、歩の優しい嘘とも言えるだろう。静(中井貴一)に車椅子を押された四織とすれ違う歩。振り返った歩が真っ直ぐな視線で言った「頑張ってください」は、嘘ではなく本心からの一言だ。 また、四織や四谷たちと同室だった患者の四宮咲良を演じる白本彩奈は、中井貴一と『最後から二番目の恋』シリーズ(フジテレビ系)で親子役を演じていた関係性。第2話にゲスト出演していた井上祐貴と岡田将生の朝ドラ『虎に翼』(NHK総合)に続く、“親子”共演となった。 次回は、静の少年時代をよく知る同級生・五味武久(段田安則)が登場。院長・薬師丸卓(山崎育三郎)が進める働き方改革も本格化し、その解雇の対象が吉子(安達祐実)となってしまうようだ。
渡辺彰浩