「世界トップの親日国」パラオ大統領が明かした「日本との特別なキズナ」と「中国からのすさまじい誘惑」
国民は皆、日本のファン
「南の島の大王は~」という童謡を髣髴させる御仁が先週来日し、お目にかかった。西太平洋に浮かぶ島パラオのスランゲル・ウィップス第10代大統領(55歳)だ。 【写真】アメリカが「中国EV」にブチギレ…! 「昨晩フミオ・キシダ首相と会って、ディナーも共にしたよ。3度目の会談で、両国はトクベツなキズナで結ばれているんだ。約2万人のわが国民は皆、日本ファンだ」 堂々たる風貌、そしてまばゆい笑顔で語りかける。 「昨年8月に、日本が福島第一原発のALPS処理水を太平洋に放出し始めたろう。私も心配になって、放出開始前に来日して、福島までこの目で確かめに行ったのさ。そこで真剣なまなざしの日本人技術者たちの説明を聞いて、安心したよ。 わが国の最大の資源は、パラダイスの海だ。いまは円安で大変だろうが、ぜひ日本人にパラオの海を見に来てほしい。両国の漁業交流も進めたい」
中国のすさまじい「誘惑」
パラオは近年、安全保障上、注目されている。近隣のナウルが今年1月、台湾と断交して中国と国交樹立。パラオも長く台湾側についてきたのだ。 「中国からの誘惑って、すごくないですか?」 私が問いかけると、「いいこと聞くね」と苦笑し、中国人の口調をまねた。 「いますぐパラオ中のホテルを満室にし、さらに多くのホテルを建設してあげよう。直行便を開設し、パラオを『太平洋のマカオ』にしよう……」 最後にきっぱり告げた。 「価値観を共有しているのは、やはり台湾だよ」 「週刊現代」2024年6月22日号より
週刊現代(講談社)