「身を切る改革」は変えるべき?【日本維新の会代表選2024ネット討論会(下)】
日本維新の会といえば「身を切る改革」というフレーズがよく聞かれますが、発足当初の大阪の厳しい財政状況だからこそ刺さるメッセージであり、全国展開や時代の変化を踏まえればこのメッセージは変えていくべきではないかという指摘があります。それに対する各候補の意見を伺いました。 金村氏「身を切る改革そのものは継続したい。ただ、身を切る改革は姿勢を示すものであって票を得るためのものではない。実際、私は自分のポスターやチラシにその言葉を記載したことはない。」 空本氏「身を切る改革は財政再建の手段。維新のスピリッツは政治家自らが覚悟を示すことである。全国政党化することを考えると、地方議員の皆さんが賛同できるかどうかを考えれば、このあり方は考えていかなければならない。」 松沢氏「身を切る改革の見直しは必要。報酬の低い小さな自治体の議員にとっては辛すぎる。また、身を切る改革は報酬の寄付や定数の削減だけでなく、知事の多選禁止や国会議員の任期制限、世襲制限に切り込む発想があってもいいと思う。」 吉村氏「日本維新の会が改革政党である限りは身を切る改革はやるべきだと思う。政治家がぬるま湯につかったような状態で改革はできない。ただ、フレーズとして使うかどうかは別の話ではないか。」
党勢拡大の戦略は?
国会運営の観点から党勢拡大の戦略について伺いました。与党が過半数割れした今、維新はどのように存在感を示すのでしょうか。 松沢氏「少数与党の状況では第三局である日本維新の会と国民民主党の対応が重要であるが、維新は大阪で公明党と戦いすぎてしまったために政権は国民の方に寄ってしまっている。ここに入っていくのではなく正々堂々、本物の是々非々で取り組むことが基本戦略であるべきだと思う。例外は憲法。有事に対応できる憲法に変えるために維新が先導して自公・国民と協力するべき。」 吉村氏「まずは公約の実現に邁進するべきだと思う。時には与党と交渉することもある。来年の通常国会では高校授業料無償化と社会保障改革をメインテーマにしたい。また、自民党が過半数割れしているなら、野党だけでルールメイクすることは可能。企業団体献金の禁止はどの野党も掲げているので日本維新の会が率先して実現させたい。文通費の開示も当然やるべきである。」 金村氏「少数与党が続くことは日本の政治にとっていいとは思えない。小選挙区制度下の30年、日本は経済成長しておらず、選挙制度改革も国会で議論すべきである。維新が提起してきた一院制についても議論するべき。党勢拡大というより、今の政治構造で次の10年20年の安定した政治と、我々が掲げる改革が実現されるのかどうか国会で提起していくべきだと思う。」 空本氏「国会運営については与党との対決姿勢は崩さない。高校授業料無償化や企業団体献金の禁止などにおいて一致できる党とは一緒に取り組んでいくべき。政策に関してはニッチなところを攻めていく。例えば年金で暮らしている高齢者には211万円・155万円の壁があるがこれは自民も国民も議論していない。また、日本維新の会は改革保守政党と言っているが、改革疲れになっている。メッセージの出し方は考えなければいけない。」
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