ハスラーやウェイクが新境地 “高付加価値”軽自動車の時代始まる
このコーナーでも度々触れて来たように、軽自動車が売れている。すでに国内販売台数の40%が軽自動車だ。 【図表】日本独自の軽自動車 「3395×1475」にあらゆる車種がそろう小宇宙 一般社団法人全国軽自動車協会連合会が発表した1月の軽乗用車車名別のランキングを見てみると、最も売れているホンダのN-BOXは1万8643台で、普通車で最も売れているトヨタ・アクアの1万9968台とほとんど変わらない台数になっている。
いまや市場の4割を占める軽自動車
これまで長らくスズキ、ダイハツの2強体制が続いてきたところに、2011年以降Nシリーズで軽に力を入れ直したホンダが急速に追い上げ、三つ巴に突入した。そこへ2013年に日産のデイズが参入して激しい攻防を繰り広げているというのがマーケットの構図だ。 デイズは日産と三菱が2011年に軽自動車事業のために設立した合弁会社、NMKV社が開発をしたモデルで、日産と三菱は、デイズとeKはそれぞれ作り分けられた違う個性を持つ商品としているが、実質的には兄弟車。実際、デイズも三菱の工場で生産されている。仮に2車種を合計してカウントすれば、2万台超えになり、1位を抜く台数になる。トヨタほどではないにしても日産の販売力は侮れない。 過去の記事でも触れた通り、現在、軽自動車は背丈別に低中高の3種類のバリエーションになっている。法規で全長全幅を3400×1480ミリに制限を受けている軽自動車はユーティリティを拡大したいなら上へ広げるしかない。背を高くすれば広くなるが、重くなり重心が高くなる。燃費にも走りにも駐車の実用性にもデメリットもあるのだが、そうは言っても狭小さが最大の課題になる軽の世界。広さがもたらすインパクトは大きい。
一番低いクラスは基本的に車高1550ミリまでのクラスで、ランキングに上がっているクルマで言えばアルト、ミラ、少し高いがN-ONEだ。 1620ミリ近辺の車高「中」にあたるのが、デイズ、ムーブ、N-WGN、ワゴンR、eK、モコ、ステラ。 1700ミリ超えの車高「高」にあたるのは、N-BOX、タント、スペーシアということになる。 そしてこれらのクラスに属さない独自の付加価値を持つ商品として注目されているのがスズキのハスラーとダイハツのウェイクだ。ランキングには入っていないが、軽の高付加価値モデルと言えばダイハツ・コペンの存在も忘れるわけにはいかないし、デビューカウントダウンに入ったホンダのS660もそこに加わることになるだろう。今、どうしてこうした軽の高付加価値モデルが次々と現れて、注目を集めているのだろうか?