SNSの登場はZ世代の学生生活をいかに変えたのか 広がるチャンスと強まる同調圧力の同時性
原田:そうですね。私はリーダーの役割の1つに、人の内面まで入って何かを訴えかけることがあると思っていて。おそらく、管理職も部下の人が活躍できるようにそういうことをする必要があると思うんですけど、干渉することが好まれてないようにも思ってしまって。だから、そうしたことができないのに、リーダーを名乗っていいのかなっていうのはありますね。 舟津:なるほど。たしかに、そうした振る舞いはリーダーに必要な部分ではありますね。でも、それが必ずしも受容されないこともわかっている。周りが見えすぎているかもしれませんね。
私は経営学者なので、いろんな経営者について学びますが、他者に踏み込むというところには躊躇がない方が多いとは感じます。でも、視野の狭さゆえの強さ、鋭さは、良い方向に働くこともある。強い思い込み、自分の信念が経営の舞台で成功に繋がることで、自身の信念が社会の一般法則だというくらいに思い込んでいく。 もっと雑に言い換えると、SNSを実名カギなしで発信し続けているような自信の強さ、とでも言いましょうか。ある調査によると、社会的地位が高い人、年齢が高い人ほど、そうしたことをする傾向にある。年を取った人には熟慮があって、若い人は向こう見ずである、みたいな旧来的なイメージとは、SNSに関しては真逆のことが起きている。こういうのは面白いですよね。
菊池さんは、中高と大学を比べてどう思われますか。 ■同調圧力がある中で、いかに自分を貫けるか 菊池:高校時代の僕は、結構浮いていたように思います。部活に所属していたんですが、勉強にも熱を入れていたので、練習終わりはすぐに塾へ行っていました。そのときの部活のメンバーからは、僕を塾に行かせないようにスクラムを組まれることもあって。 学校の授業も内容的に信用していなかったので、部活が終わった高3からはほとんど行かずに、単位が足りなくなりかけました。だから、高校のときから1人で行動することも多くて、そこは大学と変わらない気もします。