SNSの登場はZ世代の学生生活をいかに変えたのか 広がるチャンスと強まる同調圧力の同時性
菊池:それで言うと、全然収益化はしてないんですけど、僕はYouTubeを手段としてやっているところはあります。きっかけは、とあるYouTuberグループの裏方的なお仕事を業務委託でやることがあって、そのときにYouTubeに関して自分でもいろいろ検証するためにゲーム配信なんかをやったりしていました。その時に、見てくれた方がXでフォローをしてくれることがあるので、ますますゲーム関連の情報がXで入手できるようになったり、「今から配信します」というのを告知するためにXを活用していました。
舟津:やっぱりわれわれ世代とも差があるのを感じますね。ツールとしてこれだけ進化したもの、しれっと使いこなして、しれっと発信者側に回ったりとかすることが、珍しくなくなっている。それはすごいことだし、乗りこなしていますよね。 広い意味ではSNSとも関連した話として、中学・高校時代のコミュニティと大学でのコミュニティの違いについても伺ってみたいです。中高時代の狭い世界、集団性がある中で、大学に入ってそれは変わったかとか、同じ感じだったかとか。そういうお話を伺えたらと。
■中高と大学でコミュニティはいかに変容したのか 中村:中高時代はめちゃくちゃ狭かったですね。それ以外の世界がないかのようで。そこからネットの世界に行けるかというとそうではなくて、場合によっては「ネットばっかりやってる陰キャ」みたいなスティグマを押されかねない。だから、すごく狭い世界の中で生きる必要があって、さらにそれぞれでLINEやインスタを使いつつグループを作るから、「いろんな人がいるよね」っていう多様性に向かうよりは、むしろどこか排他的な感じがありました。
でも、大学では明らかに世界は広がったなと認識しています。単純に関わる人数や属性が増えたのが大きいですね。サークルに入って先輩・後輩がいたり、バイトを始めて社会人や他の大学の学生と関わったり。 舟津:中学・高校って、周りと差別化したグループになることをかなり意識しているところがありますよね。なんとなく仲いい人たちだけで繋がっているというよりかは、「このグループは何々のグループだ」というアイデンティティ化が重要視されている。