巨大化した火星19型…北朝鮮、「パネルイメージ」で多弾頭開発を示唆
北朝鮮が先月31日に試験発射した新型固体燃料の大陸間弾道ミサイル(ICBM)火星19型に多弾頭(MIRV)技術を適用する可能性があることを示唆したという分析が出てきた。最近の北朝鮮の武器展示会に登場したパネルイメージを通じてだ。 ◆火星19型「多弾頭」説…北朝鮮の展示会パネルに 国民の力の庾竜源(ユ・ヨンウォン)議員室が21日、平壌(ピョンヤン)で開催された武装装備展示会「国防発展2024」に関する北朝鮮国営メディアの報道を分析した結果、火星19型の隣のパネルに多弾頭とみられるイメージがあったことが分かった。このパネルを拡大したところ、ロシアのICBM「R-36M2」と似た形体が見えたと、庾議員室は明らかにした。旧ソ連時代に開発されたR-36M2は最大10個の多弾頭を搭載でき、米ICBMミニットマンIIIに対応する戦力として評価される。 これまで公開された火星19型の弾頭部形状、段分離後の写真などから軍事専門家らが多弾頭の可能性を提起したことはあったが、北朝鮮がこれを自ら知らせたのは初めて。当時の試験発射直後に北朝鮮メディアが公開した写真から先が短い弾頭搭載部が捕捉されたが、ここに多弾頭が入っているというのが専門家らの推定だった。しかし北朝鮮は当時の公開報道で多弾頭関連の内容には言及しなかった。 多弾頭、そして分離した多弾頭の姿勢を制御して誘導するPBV(ポストブーストビークル)技術はICBM開発の最後の段階に挙げられるほど高い技術水準を要求する。一つでも的中すれば大きな打撃を与えることが可能であり、北朝鮮が望んでいる技術だ。北朝鮮は6月、「個別機動戦闘部(弾頭)分離および誘導操縦試験に成功した」とし、多弾頭ミサイル試験発射を知らせた。 ◆多弾頭「高度化」ロシア、北朝鮮に技術支援の可能性 しかし多弾頭が実戦性を立証したかどうかは依然として未知数だ。6月の試験発射はもちろん火星19型発射当時も多弾頭を立証する明確な状況は見られず、軍当局は慎重な立場だ。 一部では、多弾頭技術を高度化しているロシアが関連技術を積極的に支援する場合、北朝鮮の多弾頭保有は時間の問題という声も出ている。実際、ロシアは21日(現地時間)、ウクライナに向けて「オレニシク」と命名された多弾頭中距離ミサイルを発射した。ほぼ同じ時期、北朝鮮が多弾頭のパネルを持ち出したのは、関連技術を媒介としたロシアとの協力関係を誇示した可能性がある。 火星19型のパネルに多弾頭形状と単弾頭形状を共に入れた点も目を引いた。多弾頭のほか爆発力を増強するのに焦点を置いた単弾頭に火星19型が二元化されたという意味と解釈される。 このほか北朝鮮は火星19型の前に炭素繊維の塊とみられる物品をガラス箱に入れて展示した。金属より高強度、軽量素材でICBMの製造が可能だと誇示するものとみられる。 火星15・17型など液体燃料ICBMを除いて、火星16ナ型極超音速ミサイル、火星18・19型ICBMなど固体燃料ミサイルを中心に展示に動いた点も注目される。発射準備にかかる時間が短い多様な固体燃料ICBMで米本土を奇襲打撃できるとして脅威を強めたということだ。 ◆価格性能比優れた自爆ドローンなどドローン10種公開も 北朝鮮は今回の展示会で厚紙で製作された自爆ドローン、イスラエル「ハロップ」「ヒーロー」を模倣した自爆ドローン、固定翼・回転翼結合偵察ドローンなど10種の新型ドローンを公開した。このうち特に厚紙のドローンは価格性能比が優れているうえ探知が難しく、有事の際、大量攻撃に活用されるというのが庾議員室の観測だ。 北朝鮮版のハロップとヒーローはそれぞれ飛行距離1000キロ、100キロと推定され、縦深攻撃用と機械化部隊攻撃用として役割を分担する可能性が高いとみられる。