組員から「どこに住んどるんか」「子供おるんか」 特別扱いやめた市民の勇気と覚悟 工藤会トップ逮捕から10年
■工藤会トップを逮捕 RKB 青木周作カメラマン「工藤会最高幹部の自宅前には大勢の捜査員がいます。傘でよく見えませんが、最高幹部はたった今、福岡県警の車両に乗り込んだと思われます」 10年前の9月11日、警察は工藤会総裁の野村悟被告(77)を逮捕。 2日後にはナンバー2・田上不美夫被告(68)も逮捕しました。 福岡県暴力追放運動推進センター 尾上芳信 専務理事「安堵するというよりもここまでやって来たという達成感というか、これで北九州の平和を取り戻せるんじゃないかという感慨深い思いもありました。」 4つの事件に関与したとして起訴され、殺人などの罪に問われた野村被告に対し、1審の福岡地裁が言い渡したのは、死刑。 控訴審では一部の事件について無罪とし、無期懲役判決となりました。現在も係争中で、ナンバー2の田上被告とともに、収監されています。 ■企業の進出も 警察の威信をかけた「頂上作戦」から10年。 北九州市には529の企業が新たに進出しました。 北九州市 武内和久 市長「暴力を排除していくということは、警察だけでも行政だけでも行えないものです。市民のみなさまの勇気と覚悟は、北九州市の本当に大きな宝でああり、安全安心な街へと変貌していく大きな原動力になったと思います」 ■閑古鳥が鳴いていた繁華街は 暴力団排除をうたう標章を貼り出した飲食店関係者が襲撃され、物々しい警備の影響などで閑古鳥が鳴いていた繁華街も今は多くの人で賑わっています。 北九州市民(60代)「入れ墨とかが見えるような人を見たことありますけど、暴力団対策が始まってから全然見ないですもんね」 北九州市民(40代)「雰囲気的には若い人も増えたのかな、ちょっと明るくなったのかな。今はとにかく過ごしやすい」 ■工藤会 構成員は5分の1以下に 工藤会から離脱した人への警察の支援もあり、ピーク時に1200人を超えていた工藤会の構成員数は、昨年末までに5分の1以下に減少。240人になりました。
組事務所も2014年9月以降、28件が撤去されました。警察が支援した離脱者は、300人を超えています。 暴追運動に参加していた男性「壊滅と言ったって、ただ組をやめさせるといっても就職を世話してやったり住まいを探してやったり、あの手この手でしているし、そういうことをしているから組をやめる人もいるやろうし、みんなでそうしてみてあげないとね」 工藤会の弱体化に伴って明るい変化が表れている北九州市。 トップ逮捕から10年、組織の壊滅に向けた取り組みは今も続いています。
RKB毎日放送