ゼレンスキー氏が語った戦争の終わり方、そして日本への感謝 千日超えたウクライナ侵攻、その行方は(後編)
ここで言っているのは軍事目標のみだ。ロシアのインフラや民間の目標ではない。われわれは一度もそれを標的にしてこなかった。だが彼らが、わが国のエネルギーインフラを破壊するなら、私たちに相手のエネルギーインフラを破壊する権利はないのだろうか。 われわれには、それを破壊する十分な権利がある。常識的に考えて、パートナー国は明確なサインを(ロシアに)送る必要がある。プーチンが民間インフラやエネルギー施設への破壊を止めないなら、ウクライナに長射程ミサイルを含むパッケージを提供し、ロシアのエネルギー施設を破壊する「青信号を出す」と。それが公正だ。これがわれわれの強い立場だ」 ▽対ロシア制裁、求めるものは ―ロシア経済を締め付けるため、米欧や日本は幅広い分野で制裁を科している。しかし、ロシアは戦争を継続し、優位に立ちつつある。ウクライナは「制裁は手ぬるい」と不満を高めている。 「ロシア軍がわれわれの都市を破壊することを許さない。わが軍を強化しなければいけない。戦略的な強化だ。軍を増強し予備戦力を活用できるようにするため砲弾やその他のシステムが必要だ。
われわれは米国や他の同盟国と率直に話し合い、(投資などに関する)経済協定について議論している。ロシアが占有する鉱物資源はロシアの同盟国を支えるだろう。資源は武器製造や同盟国強化に使われ、将来、あなた方の地域で混乱を引き起こすかもしれない。 われわれは今後も制裁について協議を続ける。米国、英国、EU諸国、太平洋地域の国々が多くの制裁を科したことに感謝している。日本や韓国にも感謝している。しかしまだ十分ではない。ロシアは制裁を回避している。制裁逃れを助ける国々もある。ロシアの銀行やエネルギーシステムを完全に停止させ、彼らが影響を拡大したり商売したりできなくする必要がある」 ▽なぜ外交が必要なのか ―ロシアは2014年にクリミア半島を併合し、軍事拠点として整備を推進してきた。ウクライナがクリミアを含むロシアの全占領地を武力で奪い返すべきなのか。この点をどう考えるかで戦争終結のあり方も大きく変わってくる。