おにぎりの「ぼんご」が認めた「こんが」1日2500個を販売、それでも「なかなか儲からない」理由は?
「おにぎりブーム」の火付け役と言われる東京・大塚の「おにぎりぼんご」(以下、ぼんご)。ご飯を握らないふっくら食感とご飯の上にまではみ出る具材たっぷりのおにぎりを、できたての温かい状態で提供するスタイルで人気を博してきた。 【画像】大行列ができる「ぼんご」とどう違う? あふれる具材がすごい! 卵黄の醤油漬け+牛すき焼き、カルボナーラ、ボロネーゼ、「こんが」の店内とおにぎり(全12枚) テレビなどでも紹介されたことから女将の右近由美子氏も広く知られており、その明朗快活なキャラクターで親しまれているようだ。 ぼんごでは「おにぎり屋を開きたい」という熱量のある弟子を受け入れており、店で修行した人がおにぎり専門店を開店することもある。そんな背景から「ぼんご系おにぎり」店が増えているが、中には修行をせず、ぼんごに似せたおにぎりを提供する店もあるとか。 そんな中、2021年11月に蒲田に1号店をオープンした「おにぎり こんが」(以下、こんが)は、ぼんごが唯一出店を認めたおにぎり屋だという。その後、赤坂と羽田空港にも出店し、10月28日には鎌倉店がオープンした。羽田空港では1日2000~2500個を販売するなど大盛況だ。 こんがを運営するFBIホールディングス社(横浜市)の代表 合田正伸氏に、こんがのビジネス戦略を聞いた。
ぼんごのおにぎりを広めたくて起業
合田氏は、おにぎり事業を営む以前、飲食店のオーナーと関わる仕事をしていた。その中で、2020年にぼんごの右近氏と出会う機会があり、彼女の人生観に魅了されて弟子入りを決めたという。 「右近さんは40年にわたっておにぎり一筋で商売に向き合い続けて、おにぎりブームを生み出されています。さまざまな苦労を経験されて、その苦労に裏打ちされた上辺(うわべ)の言葉ではない人生観に感動して、この人に付いていきたいと思いました」 右近氏は、ぼんごの創業者である右近祐(たすく)氏と24歳で結婚して、ぼんごで働き始めた。最初は皿洗いなどに従事していたが、職人が倒れたことを機におにぎりをつくるように。紆余曲折がありながらも行列のできる大人気店に育て上げた経歴を持つ。 2020年にぼんごに弟子入りした合田氏は、約1年間の修行を経て、おにぎりのつくり方や接客を学んだ。当時の右近氏のビジョンは、「おにぎり=ぼんご」の世界をつくること(現在はビジョンが変わっているが後述する)。とはいえ、ぼんごをチェーン展開する気はなかったため、合田氏は「こんが」を創業して「ぼんごのおにぎりの魅力」を広めることにしたという。 「当初は地方で出店して、ぼんごの味を地方でも食べてもらいたいと考えていましたが、『家族も一緒に地方に引っ越すのはリスクが高いので、まずは東京で出店したら?』と右近さんからアドバイスを受け、ぼんごがある大塚から都内で最も遠い蒲田で出店することにしました」 合田氏は「ぼんご監修」とうたうことを右近氏から唯一認められており、「ぼんご監修のおにぎり専門店」として「おにぎり こんが」を蒲田でスタートさせた(現在は監修ではなく、「ぼんご直伝」とうたっている)。