広島・ドラ1佐々木 カープだけじゃない 歴史背負う 決意新た「マツダで大きなホームラン打てたら」
広島の育成契約を含む新人8選手が18日、マツダスタジアムなどの球団施設を見学した。鯉の本拠地を初めて訪れたドラフト1位・佐々木泰内野手(21)=青学大=は長距離打者らしく赤く染まった球場でアーチを描くイメージを膨らませた。前日には平和記念資料館も訪れ、広島のシンボルになっていく決意を示した。 【写真】マツダスタジアムのスタンドで記念撮影する新人たち みんな目がキラキラしている 冬晴れの日光が降り注ぐ絶好の見学日和。目の前に照らし出されていたのは近未来、自らが躍動する舞台だ。天然芝の張り替え工事中のため、スタンドからグラウンドを一望した佐々木は「すごくでかくてびっくりした。しっかり声を出して汗を流して、マツダスタジアムで大きいホームランを打てればいいなと思います」と打席に立つ時を心待ちにした。 新入団会見から一夜。緊張からも解き放たれ、「よく眠れました」と笑顔を見せた。スタンドでは佐々木自身が撮影係を買って出て、同期入団全員で記念撮影。出会ってからまだ間もない中でも仲の良さを際立たせた。 今回が初めての広島訪問。ホテルに到着した16日には同期入団となる2位・佐藤柳、4位・渡辺と原爆ドームに足を運んだ。さらに新入団会見が行われた17日にも母・純子さんと平和記念資料館へ赴いた。「広島で生活することになるので、広島の歴史に触れておきたいという気持ちがありました」。連日にわたって平和について考え、「行ってみたらすごくいい経験になりました」とうなずいた。 広島の歴史の中でカープの果たしてきた役割は大きい。原爆の爪痕が残る広島に市民球団として誕生。復興のシンボルとして希望と勇気を与えてきた。現在でも原爆が投下された8月にマツダスタジアムの公式戦でピースナイターを開催するなど、平和の重要性を野球を通じて発信し続けている。 そんな特別な使命を背負う球団で来年からプレーする佐々木。「この地で悲惨な出来事があったと思うと胸が苦しくなりますし」と受け止めた上で、「カープは復興の時と同じぐらいにできて、そこから市民の方と一緒につくり上げてきた。そういう思い入れの深い球団だということを再認識した。歴史を背負って戦えるというのは自分としてうれしく思います」と背筋を伸ばした。 自らもカープのシンボルとなるために-。「カープ、日本を代表する打者になりたいという思いが強い。そういう打者になるためにしっかり体をつくって、技術もレベルアップして戦っていきたいと思います」と決意を新たにした。平和の喜びをかみしめながら、広島で飛躍することを夢見て野球に打ち込んでいく。