21世紀枠の只見 有数の豪雪地帯、ハンディ乗り越え 選抜高校野球
第94回選抜高校野球大会に出場する32校が、28日に開かれた選考委員会で決まった。21世紀枠での出場が決まった只見(福島)は、1976年の創部以来、春夏通じて初の甲子園となる。体育館で伊藤勝宏校長から吉報を伝えられた選手たちは涙ぐみ、地元出身の吉津(きつ)塁主将(2年)は「チームのモットーである全力疾走を披露したい」と力強く宣言した。 【センバツ出場を決め、喜びの32校】 同校は日本有数の豪雪地帯として知られる福島県最西端の只見町にある。全校生徒は86人。野球部の人数も選手13人、女子マネジャー2人の計15人と少ないが、昨秋の県大会では延長サヨナラ勝ちや逆転勝ちと粘り強く戦い、初の8強に進んだ。 この日、グラウンドの積雪は1・8メートルあり、「これぐらいは普通」と吉津主将。長靴を履いて雪上でキャッチボールができるのは初冬までで、冬本番の今は校舎1階にある駐輪場や体育館など限られたスペースで練習を重ね、力を付ける。 人口約3900人のうち65歳以上が半数近くを占める中、町は2002年度から山村教育留学制度を導入。町外から生徒を受け入れ、野球部にも5人在籍する。町は地元の野球場を貸すなど地域を挙げて支えており、町民の期待は大きい。町出身の長谷川清之(せいし)監督は「町民にもうれしいニュースになった。甲子園の舞台で力を発揮したい」と誓う。【三浦研吾】 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では、大会期間中、全31試合を中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu)でも展開します。出場決定号外はデジタル紙面でご覧いただけます。