バドミントン裏カジノ賭博問題 田児と桃田を所属のNTT東日本が解雇処分も
桃田は、田児に誘われ、計6度違法カジノ店を訪れた。桃田も海外遠征先のデンマークの合法カジノでバカラを知った。 「いけないことは分かっていたが、好奇心があり楽しんでいる自分もいた。海外の合法カジノでスリル感を味わい、感覚がおかしくなった。スポーツマンで勝負の世界に生きている以上、ギャンブルに興味があり抜けられない自分がいた」と、告白した。 ただ、桃田は、昨年1月を最後に行かなくなった。「全日本で負けて自分の中の何かが変わった。世界のトップと対等に戦いたいと考え、1月から行かなかった」というのが理由。
それでも昨年10月から野球界で巨人の選手の野球賭博関与や非合法賭博への出入りが、大きな社会問題となり、事実上の永久追放となった事件を見て、「このことが公になったどうしようと思った。今になってみれば遅いのですが」(田児)、「人ごとではないなと思った。(巨人を)解雇された報道を見て、怖くて誰にも(裏カジノに通っていたことを)言えませんでした」(桃田)という。 違法カジノは反社会勢力の資金源となっているが、両名は、反社会勢力との交遊については、完全否定。「暴力団の人というよりは、みんな印象的には穏やかに接してくれて行きやすくなった」(田児)、「店内には反社会勢力のような人はいなかったように感じた」(桃田)と証言した。 また一部で報じられたジャージ姿でラケットを持って違法カジノ店を訪れていたという記事に関しては「ラフな私服」(田児)、「ジャージ姿で行ったことはない」(桃田)と否定した。
2人のリオ五輪出場は絶望。バドミントン協会は、選手登録の永久失格という厳しい処分も検討している。また前述したようにNTT東日本も、解雇という重い処分を考慮している。 今後について聞かれると、田児は、「すべての責任は後輩たちや桃田を巻き込んでしまい、軽率な行動をした自分にあります。いかなる処分も受ける覚悟もあります。二度とバドミントンができなくなる覚悟もありますが、世界のトップでプレーしている桃田にだけはチャンスを与えて欲しいです。自分の立場でこういうのはおこがましいのですが」と涙を流して訴えた。 一方、21歳の桃田には、リオ五輪出場はアウトでも、東京五輪の可能性は残っている。だが、「今は自分でもこの先どうなるかが分かりません。正直、4年後などまったく見えません。福島県の方々や、応援してくださった多くの方々に迷惑をかけ、今は申し訳ないという気持ちしかありません。反省の気持ちしかありません。どんな処分が出てもしっかりと受けとめて、自分と向き合い、反省したいと思う」と、今後については、多くを語らなかった。 調査の結果、田児と桃田では、違法カジノへ通った回数や金額などにも大きな差があるため、週明けに下される社内処分及び、バドミントン協会の処分にも差が出ると考えられるが、リオ五輪で、メダルを狙うことのできるトップアスリートが、犯した罪の影響は計り知れない。