【韓国航空機事故】国家的惨事も大統領と首相が職務停止で対応は難航、野党は政敵の足を引っ張ることに血道という愚
12月27日に韓悳洙(ハン・ドクス)首相の弾劾案が国会を通過し、大統領「代行の代行」を引き受けることになった崔相穆(チェ・サンモク)経済副首相は、その2日後にこの悲劇的な事故に直面することとなり、いま収拾に全力を尽くしている。 崔相穆代行はすでに大統領と首相の職務に加え国家経済のトップを兼任しているが、さらに今回の事故の収拾も担わなければならなくなった。ただでさえ大統領の弾劾局面における為替危機などで国家経済も非常状態なのに、災難収拾策まで引き受けることになったのだから、崔相穆代行には途方もない負荷がかかっている。 ■ 政府の混乱に遺族から苛立ちの声 悪いことに、災難収拾の中心となる行政安全部長官も弾劾訴追を受けた後に辞任して不在になっている。普段なら行政安全部が引き受けたはずの災難対策本部の中心役割は国土部にあずけられた状況だが、経験のない国土部でまともに処理できるか疑問だ。 さらに、事故現場の秩序と治安を担当する警察庁長や安保の責任を負う国防部長官も捜査機関によって拘束され、代行体制が続いている。そのために事故現場である務安国際空港に集まった遺族たちからは、「行政安全部長官はどこに行ったのか」「政府のコントロールタワーが見えない」等の怒りの声が出ている。
■ 事故直後、国民の顰蹙を買った李在明氏のSNS投稿 そして最も嘆くべきなのは、国会を掌握し、まるで政権党にでもなったつもりの共に民主党が、この大事故の発生直後にも弾劾世論の醸成に集中する態度を見せたことだ。当然、メディアからはひんしゅくを買った。 29日、事故発生から1時間ほどが経った10時頃、李在明(イ・ジェミョン)共に民主党代表はSNSに現政権を嘲弄する文を載せた。ハリウッドの名作『明日に向かって撃て!』になぞらえて尹錫悦大統領の非常戒厳を嘲弄した内容で、「ブッチ+サンダンス=明日に向かって撃て、尹+韓=国民に向かって撃て」というものだった。しかし、あまりにもタイミングと内容が不謹慎だと支持者から指摘を受けて、慌てて削除した。 当時、メディアは務安国際空港事故の深刻な状況を速報で次々報じていたが、李在明代表は事故に対しての言及は全くなく、弾劾世論を作るための扇動にひたすら熱を上げていたのだ。 共に民主党の金潤徳(キム・ユンドク)議員も同様だった。事故直後のタイミングで記者懇談会を行い、憲法裁裁判官任命のための世論づくりに励んだ。金議員は「崔相穆権限代行に促す。国民の命令によって、憲法に明示された手続きによって混乱を止める道を選択しなければならない。国会が推薦した憲法裁判官3人を遅滞なく任命し、特検を受け入れなければならない」と強調した。事故を心配するどころか、ただ大統領弾劾に向かって突き進もうとする共に民主党の本心が如実に表れてしまった。 こうした国家的危機においては、事故再発を防ぐためのきちんとした原因究明と、社会混乱を煽る陰謀論に対する統制が必要だが、悲しいことに韓国社会では早くも根も葉もない陰謀論が広がっている。