【NBA】クラブ黄金期を経験した頼れるベテラン、トリスタン・トンプソンがキャバリアーズ残留へ
NBA優勝、5シーズン連続ファイナル進出を経験
トリスタン・トンプソンがキャバリアーズとの再契約を結んだ。2011年のNBAドラフトでキャブズに指名されたトンプソンは、レブロン・ジェームズやカイリー・アービングとともに2015-16シーズンの優勝に貢献するなど主力としてチームを支えた。 2020年にキャブズを離れ、いくつかのチームを渡り歩いたが、昨年オフにキャブズに復帰。この時、すでに32歳で他のチームで活躍できなかった彼の実力は疑問視されており、契約も無保証だったが、ドーピング違反で25試合の出場停止処分を間に挟みながらも、チームを支える『脇役』を全うした。若手を中心に躍進を続けるキャブズをメンタル面で支えるとともに、チームが苦手とするインサイドで身体を張る役割をこなし続けた。 さらに彼は、コーチングスタッフと選手を繋ぐ役割も果たしている。J.B.ビッカースタッフからケニー・アトキンソンへとヘッドコーチが交代しても、その重要性が認められたからこその契約延長だろう。 『Cleveland.com』の取材でドノバン・ミッチェルは、トンプソンの重要性をこう語っている。「優勝を経験し、5シーズン連続でNBAファイナルに進んだ男だ。彼はいつも仲間の成長を意識し、コーチの助けになる。彼のように経験豊富で、しかもトップレベルを知る選手から学べることは多いんだ。長いシーズンの中で難しいことがたくさん起きる。良い時も悪い時もあるけど、平常心を保ち続けることが一番大事だと教えてくれる」 彼は2022-23シーズンに契約を得られず、キャリアの危機に陥っていた。トレーニングを続けながらも家族との時間を増やし、引退に備えてコメンテーターの仕事もやり始めた。だがこのシーズン終盤、レブロンから声が掛かり、レイカーズと契約してプレーオフの5試合にだけ出場している。レイカーズとの契約延長は果たせなかったが、これをきっかけにキャブズ復帰が決まった。そして今、そのキャリアはもう1年伸びようとしている。 NBAで13シーズン生き残るためにはどれだけの努力が必要か、キャブズの若手たちにそのお手本を示す存在として、トンプソン以上の適任はいない。