栽培地が半減する危機 コーヒーやチョコレートを襲う「2050年問題」【WBS】
世界中で多くの人に親しまれているコーヒーですが、ある問題に直面しています。地球温暖化などの影響で、コーヒー栽培に適した土地が大幅に減ることが予想されているのです。2050年にはコーヒー栽培に適した土地が現在の50%にまで縮小するという、いわゆる「2050年問題」に向け、企業が対策を打ち出しています。 東京・渋谷区にあるカフェバー「æ(アッシュ)」。26日、日本での発売が発表されたのがサステナブル・エスプレッソ。コーヒー豆を使わないコーヒー味の飲み物です。 開発したのはアメリカのスタートアップ企業「アトモ・コーヒー」。通常は廃棄されるナツメヤシの種子など12種類を粉末化し、カフェインを加えて再現しました。従来のコーヒー栽培に比べて二酸化炭素排出量を83%削減できるといいます。
商品開発の背景にあるのがコーヒー豆の「2050年問題」です。温暖化などの影響により、世界のコーヒー豆の栽培に適した土地が2050年には50%ほどに減少すると予測されています。コーヒーの価格も既に大幅に上昇していて、生産量の減少が懸念されています。 サステナブル・エスプレッソの日本での販売は渋谷にある「æ」だけですが、「アトモ・コーヒー」のエド・ホーンCOOは販路の拡大に向けて動き出しています。 発表会終了後、その足で向かったのはアトモ・コーヒーの販売に向けた商談です。試飲した「グッドグリーンカンパニー」の磯井駿さんは「飲みやすい。私たちの店はサステナブルな部分に目を向けている人が多いので、試験的な導入も含めて試していきたい」と話します。 アトモ コーヒーは2026年までにコンビニや小売店など1000店舗に導入する目標を掲げています。また、家庭向けにドリップコーヒー用の商品も年内に販売する予定です。 「私たちはコーヒーが直面するサプライチェーンの問題を抱えていない。コーヒーの供給量の減少を背景に今後20~30年の間に克服しないといけないコーヒー産業と一緒にこの商品を作りたい」(エド・ホーンCOO)