場内が沸いた…ドラフト会議「サプライズ指名」(1)阪神がまさかのドラ1単独指名
まさかの一本釣りや涙の入団拒否など、ドラフト会議ではさまざまなドラマが巻き起こる。長い歴史の中では「サプライズ」と呼ばれた指名もあり、場内が沸いた瞬間は野球ファンの印象に残っているはずだ。そこで今回は、ドラフト会議で起こったサプライズ指名選手を紹介する。
大山悠輔
出身:茨城県 投打:右投右打 身長/体重:181cm/92kg 生年月日:1994年12月19日 ドラフト:2016年ドラフト1位 現在は阪神タイガースの4番を務める大山悠輔。チームに欠かせない戦力として活躍しているが、大山のキャリアは屈辱から始まったと言えるかもしれない。 つくば秀英高校(茨城県)から白鴎大学に進学した大山は、1年生の春からレギュラーを獲得。強打のサードとして活躍し、大学4年の春にはリーグ戦で打率.417・8本塁打という数字を残した。大学通算で16本塁打を放ち、大学の日本代表では4番を任されるほどの選手だった。 ただ、2016年のドラフトは好投手が多くいたため、「大山がドラフト1位で指名される」と考えた野球ファンは少なかっただろう。田中正義や佐々木千隼、柳裕也など有力な投手がいた中で、当時阪神の監督だった金本知憲は大山を単独で1位指名したのだ。指名が発表された瞬間、会場からは「えー」という声が漏れたことは記憶に新しい。 それでも、大山は2年目に11本塁打で2桁本塁打を記録すると、3年目の2019年は143試合に全試合出場。1年間フルで試合に出続けた。また、2020年は28本塁打を放ち、岡本和真と最後まで本塁打王のタイトルを争った。 さらに、2023年は主砲して打線を牽引し、チームの18年ぶりリーグ優勝に大きく貢献した。屈辱から始まったスタートだったが、大山がプロのキャリアを終える時、タイガースファンが惜しむことは間違いないだろう。
ベースボールチャンネル編集部