被災者による奥能登の珠洲「ガイドツアー」その意図は…現地で取材 参加者から「思ったより復興進んでいない」「行っていいのか悩んでた」の声
参加者からの声は?
モニターツアー後、本格的に準備を開始。宮口さんが働いていた観光業界で得たノウハウや人脈を生かしツアーを企画、篠原さんはデザイナーとしてのスキルでホームページやチラシを作成。ツアーは7月14日から開始し、7月27日時点で20件以上の参加がありました。スタートから約1カ月後の8月12日時点では23組、32人が参加し、予約済みを含めると43組、360人以上。来年の予約もあり、秋以降は団体での参加も増えるそうで、多くの人が復興支援ガイドツアーに強い関心を寄せていることがわかります。 全国、特に関西からが多く、大人から子どもまで幅広い年代の人が参加。なかには自由研究として訪れた小学生や、阪神大震災の復興を目の当たりにした男性も。 人々が目にしておきたいと言うのは、キリコ倉庫のある鵜飼川の河口や飯田港の「さいはてのキャバレー」など、津波の被害の大きさがわかる場所。参加者からは「行っていいのかなと思っていたが、地元の人から『来てください』と言われるのはありがたい」との声が寄せられているそう。珠洲のことも地震での苦労も知っている人から、自分の関心を受けとめた上で、案内してもらえることが安心感につながるのかもしれません。 被災地の報道はあるものの、「日本家屋が崩れて屋根が膝くらいの高さにあるなど、現地を歩くことでよりリアルに受けとめてもらえている」と手ごたえを感じている篠原さん。一方で、「思ったより復興が進んでいない」と言われることもあるそうです。 「こちらに来ていただけるとうれしい。何もないけれど愛着のあるところだから。『こうしたらいよ、ああしたらいいよ』など、いろんな意見を言ってほしい」と話してくれました。 篠原さんは移住前に住んでいた千葉県で、総務省が推進する自主防災組織(自治会や町内会などで設立された組織)で防災会長を務め、自身のホームページ「南洋幻想」にて知識と経験を踏まえて防災や災害への備えについてもつづっています。 また宮口さんは篠原さんとともに「リブート珠洲」の「被災地復興支援ガイドツアー」に携わると同時に、今年1月から市内に住む同じ30代の知人女性とコミュニティセンター「本町ステーション」を立ち上げ(オープンは4月)、地域住民や他の地域から来た人々との交流の場としています。