勤労統計問題で特別監察委が報告(全文1)職員ら69名にヒアリング
2004年1月以降、東京都では抽出調査に変更
2つ目の事実関係でございます。2つ目はそれに基づく今度、復元処理の問題というふうにいわれているものであります。1で述べたように2004年1月以降、東京都における規模500人以上の事業所については、実際には抽出調査となった。抽出調査への変更に伴い、復元のための必要なシステムの改修が行われなかったため、2004年からシステムの改修が行われる直前の2017年まで抽出調査への変更に伴い必要となる復元が行われず、一般的には給与の高い東京都の規模500人以上の復元倍率が低くなり、この結果2004年から2017年までの調査分の決まって支給する給与等の金額が低めになるという影響が確認されている。 3番目の事実関係。公表していた調査対象事業所数に比べて、実際に調査した事業所数が少なくなってることに係る事実関係でございます。毎勤全国調査については、調査対象事業所を厚労大臣が指定することになっている。全国調査は規模30人以上の事業所に関する調査と規模5人から29人以下の事業所に関する調査に分かれており、全国調査の調査対象事業所数は各調査の事業所数の合計である。公表されている資料における調査対象事業所数について、1973年3月分の毎月勤労統計調査報告が約3万3000事業所であるのに対して、1973年4月分の毎月勤労統計調査報告は約3万3200事業所となっており、要は200多いというふうになっており、以後現在に至るまで約3万3200事業所として月報や年報に記載され続けている。 実際の調査対象事業所については、平成31年1月11日付プレスリリース。毎月勤労統計調査における全数調査するとしていたところ、一部抽出調査で行っていたことについて、調査対象事業所が公表資料よりもおおむね1割程度少なくなっていました。確認できる範囲は1996年以降のこのような取り扱いになっていました、と記されている。 で、少し飛ばします。7ページの2つ目の丸です。2011年8月4日、毎月勤労統計調査の変更について、厚生労働大臣から総務大臣宛申請された。この申請は2011年3月11日に発生した東日本大震災の被災地である、岩手県、宮城県、福島県の3県、および東京電力福島原子力発電所周辺の一部地域について、当面の間は調査を実施しないこととするに関わるものであったが、期間、あらたな事務処理要領が施行されてから初めての申請となったため、当該事務処理要領にのっとって全国調査の調査対象事業所数を約3万3000事業所と明記した上で申請がなされた。要はそれ以前に、これが初めての記載であるということであります。で、総務大臣から厚労大臣に変更を承認する旨の通知がなされております。で、これは事業所の数について明記したものということでございます。 平成28年、2016年10月27日、ローテーションサンプリングで。このローテーションサンプリングというのはいったい何かということが、後々非常に重要なところになってまいりますので、ご説明いたしますと、調査対象事業所を例えば従来の抽出におきましては、3年間同じサンプルを使って同時にいっときに次のサンプルに変更するというようなことが行われています。このために3年たちますと全数がサンプルとして入れ替わるということから、そこにギャップが発生するというようなことが、これまで起こっていた。これがまさに乖離の問題ということでありまして、それを解消するためにどうしたらいいか。この導入で、それがローテーションサンプリングといったものでございます。 毎年一定割合ずつ、例えば3年であれば3分の1ずつサンプルを入れ替えていくというような方式にするということで、その導入を代用とする毎勤の変更についての厚生労働大臣から総務大臣宛申請が行われ、調査計画における調査対象事業所数を約3万3200事業所とするというような、こういった申請になっておりまして、その決済は政策統括官の専決によって行われている。 この申請を受けた総務大臣から統計委員会に対し、2018年1月調査以降の毎月勤労統計調査に関わる調査計画が添付された申請書が諮問され、そして変更を承認して、差し支えない旨の答申がなされているということであります。