不祥事続く川崎重工、防衛事業のガバナンス強化へ社長直轄組織
川崎重工業は潜水艦修繕での不適切行為を受け、11月1日に社長直轄組織「防衛事業管理本部」を新設する。各事業部門の防衛事業を統括し、情報の一元管理や機密情報の漏えい対策、受注など防衛事業の対外的な窓口としての役割を担う。再発防止に向け、コンプライアンス(法令順守)・ガバナンス(統治)体制の再構築、組織風土の改革に全社一丸となって取り組む。 【一覧表】川崎重工業の決算詳細 橋本康彦社長は会見で「(潜水艦修繕部門は)体制を整えて出直し、信頼できる形にすることが大事だ」と述べた。川重は不適切事案に対して、外部有識者による特別調査委員会を設置して事実関係の調査と原因究明などを進めており、最終的な調査結果は年内をめどに公表する予定。
舶用エンジン検査不正5件 業務フロー改善で是正
川崎重工業は舶用エンジンの検査不正に関する中間報告を公表した。自動計測システムの計測用パソコンでの燃費や排ガス温度の不正操作など5件の検査不正を確認し、是正措置を行った。再発防止に向けては、デジタル技術を活用し、人手が介在しない業務フローの構築などを進める。 川重は2022年に吸収式冷凍機・冷温水機の検査で不正が発覚して以降、不祥事が続いている。橋本康彦社長は「最終的な責任は必要な管理体制を構築できなかった会社にある」とした。最終的な調査結果は年内をめどに公表する予定。