AIブリタニカ百科事典、ChatGPTがデタラメすぎて脚光を浴び業績回復
信頼のブリタニカですから! インターネットの台頭で姿を消してしまったものは数多くあります。なんでもGoogle(グーグル)で検索すれば答えが見つかり、無料で使えるWikipedia(ウィキペディア)が人気を集め、すっかり姿を消し去ってしまったはずのブリタニカ百科事典(Encyclopaedia Britannica)…。それがまさかの大復活ですよ。
Britannica AIが引く手あまた!
ChatGPTの生成AIは便利です。問いかければ、自動で答えてくれる手放せない存在のチャットボット。ですが、かねてから、その信頼性には疑問符がつけられていました。そういう意味では、だれでもなんでも書き込めてしまうウィキペディアの情報だって、まったく同じレベルですよね? ところがBritannicaは、いま独自の「Britannica AI」なるチャットボットに注力。問いかけに対して、200年を超える歴史を有するブリタニカ百科事典からの信頼性の高い情報から回答してくれます。その抜群の正確さが教育界などで評価され、オンライン教育ツールの雄として、いま英語圏で引く手あまたという活況を呈しているらしいのです。
まさかの業績急回復なるか?
紙のブリタニカ百科事典が終わりを迎えてから、もう10年以上が過ぎます。もはやブリタニカなんて過去のブランド。そんなイメージしか抱けない人も多いなか、情報収集と編纂に、学者や専門家が責任をもって携わって完成した知識の宝庫が、AIと出会い、よみがえってきたと話題のようですね。 実際にブリタニカの今年の売上高は1億ドル(約160億円)に達する見込みらしく、ここ2年で倍増しています。まもなく上場する予定ともなっており、時価総額は10億ドル(約1600億円)規模になるのでは? そんな強気の見通しまで立てられているそうです。 アカデミアの世界でも安心して使える、絶大の信頼性で攻めるAI。こういうアプローチが、今後の成功のカギとなるかもしれません。
湯木進悟