なぜ「チョコザップ」は人気? 成功の裏に“規格外のマーケティング戦略”あり
RIZAPの名前は一切出さずに47店舗出店、集客や継続率を検証
これまでRIZAPでは、「健康的に痩せたい」「美しい身体になりたい」と切望する人をターゲットに、結果にコミットするパーソナルトレーニング事業を展開し、成功を収めてきた。
一方、chocoZAPは運動へのモチベーションがそれほど高くない初心者を広くターゲットにしている。そこで、顧客のリアルな反応を見るために同社が実施したのが、大量の覆面店舗でのテストマーケティングだ。
まず、chocoZAPブランドがオープンする以前の2021年10月頃から、覆面店舗の出店を開始した。RIZAPの名前は一切出さずに、『FIT PARK』『FIT FILED』などの名前を付けて、オフィス街、駅前、山手線の圏内、やや都心から離れた住宅地など複数エリアで展開。似たような条件で出している店舗の価格帯や設備、サービス設計を一部変えて、集客や継続率などを検証した。 ┌────────── 47店舗でA/Bテストをくり返した結果、いろいろなことが見えてきました。たとえば、さまざまな部位を鍛えられるマルチマシンよりも、一部位だけを鍛えるシンプルなマシンのほうが好評だったり、対面や遠隔でトレーナーが教えるスタジオプログラムがあまり好まれなかったり。 そうした反応を踏まえて『美容サービスも取り入れた設備』『完全無人で24時間運営』『月額2,980円』のビジネスモデルでスタートすることにしました(鈴木氏) └──────────
「大量のチラシ・Web広告」でA/Bテストを実施
chocoZAPがオープンしてからは、チラシやWeb広告、ランディングページを大量に制作。その数はチラシ560種類以上、バナー広告8,600種類以上、ランディングページ260種類以上にのぼる。
なぜなら、複数ある提供価値のなかで何がもっともターゲットに刺さるのか検証するためだ。「手軽さ」「サービスラインナップ」「コスパ」など、切り口を変えたクリエイティブを制作し、A/Bテストを実施した。
┌────────── キャンペーンのタイミングなどに複数の広告パターンを作って、もっとも反応が良かったものを『勝ちパターン』とする。次はまた異なるパターンを複数作って、勝ちパターンと比較する。そうやって素早くPDCAを回しながら、ベースをブラッシュアップしていきました(鈴木氏) └──────────