五十鈴グループ、東海地区に物流2拠点。SCと一体運営・自動車生産変動に柔軟対応
五十鈴グループ(鈴木勝CEO)は、東海地区におけるロジスティクス戦略強化の一環で安城サービスセンター(SC)と岐阜SCのそれぞれ近傍に新たな物流拠点を2カ所確保した。ここを製品および母材の中継基地として活用。各SCと一体運営することで加工・出荷態勢を常に整流化し、自動車立地特有の顧客の生産変動に柔軟対応する。足元の受注増に対する即効性を発揮し、顧客満足度向上につなげる。 地区グループ分社拠点の五十鈴東海(社長・岩品友幸氏)は自動車向け比率が高く、部品調達不足解消後の域内自動車各社の生産台数増によって安城、岐阜、浜松の各SCともフル操業を回復。特に安城と岐阜は足元の繁忙感がしばらく続く見通しにある。 一方で脱炭素やSDGs、将来のEV化推進などを見据えると需要(生産)構造は都度、変化・変動することも想定され、自動車サプライチェーンに携わる部材加工・輸送現場にもその対応力が強く求められるのが必至だ。 こうした市場の流れやニーズを踏まえ、五十鈴東海では物流強化に向け、愛知県内の豊田市と春日井市に中継基地を賃借した。 安城SC近傍の「豊田市幸町倉庫」(建屋1149平方メートル)は2・8トンホイストクレーンが2基設置されており、保管能力は製品で2600トン分。 岐阜SC近傍の「春日井倉庫」(同990平方メートル)は10トンクレーン1台が設置されており、1200トン分の製品のほか1500トン分の母材保管が可能だ。いずれも各SCと納入先(顧客)とを結ぶ好ロケーションに立地し、ワンウェイでの効率的な輸送が見込める。 この新たな物流2拠点と両SCとの一体運営で足元そして将来的な需要構造変化に対応しながら「モノの流れ」を効率化し、円滑なカンバン納入を実現するロジスティクス機能を果たしていく。それによって域内自動車サプライチェーンにおけるグループ存在価値を高めていきたい考え。