心配された雨は遠のき、松本で7年ぶり巨人戦…ファンはオレンジのタオル振って歓喜
長野県松本市のセキスイハイム松本スタジアム(松本市野球場)で2日に行われたプロ野球セ・リーグ公式戦「巨人―中日」。松本で巨人軍公式戦が開かれるのは7年ぶりで、大勢のファンが歓喜し、スタジアムは熱気に包まれた。試合は1―2で巨人が敗れた。
午後5時を回ってスタンドに照明がともると、四方の山の端はいっそうくっきり映えた。心配されていた雨は遠のいたようで、球場スタッフの村松広輝さん(27)は「天気予報をみては一喜一憂を繰り返していた。曇天が何とか耐えてくれた」と、試合開始直前の作業に精を出した。
一回の途中から雨がぽつりぽつりと降り始め、多くのファンが不安そうに空を仰ぎ見た。そうした中、二回一死三塁で若林楽人選手が低めの球をすくい上げるように先制の左前適時打を放つと、スタンドは大盛り上がりに。
一塁側内野席にいた松本市の会社員(60)と、妻(52)は「やったね。若林よくやった」と大きな歓声。スタンドでは、多くのファンがジャイアンツカラーのオレンジのタオルを頭上で振って喜びを爆発させた。
五回一死二塁で中日の福永裕基選手から逆転の2点本塁打が左中間スタンドに放り込まれると、「あー」という落胆の声がこだました。「1点はしょうがないけれど、2点はもったいない。何とか守ってほしい」。岡谷市の無職の男性(83)は隣の妻(77)と声を振り絞り、祈るようにグラウンドを見つめた。
その直後も中日の攻勢は続いた。田中幹也選手がはじき返した浅めのフライを、門脇誠選手がバックハンドで好捕。ユニホーム姿で仲間と観戦していた松本市の自営業の男性(39)は思わず、「さすが、侍ジャパン」と両手を上げて叫び、巨人の反撃を信じた。このファインプレーが流れを止めたのか、この後、中日も追加点を挙げられなかった。
注目の九回、巨人は追加点を挙げられなかった。それでも両チームの息詰まる攻防にスタンドからは大きな声援が送られた。入場者数は、主催の巨人軍発表で1万7547人。