韓国最高検、非常戒厳で捜査本部設置 内乱罪は不逮捕特権の例外
韓国の最高検察庁は6日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による3日の「非常戒厳」宣布について捜査するため、特別捜査本部を設置した。ソウル高検トップが指揮する。尹氏や、戒厳令を進言した金龍顕(キム・ヨンヒョン)前国防相らが内乱罪などで告発されており、最高検は「厳正に調査する」としている。軍検察も捜査本部に加わる。 【写真まとめ】フェンス乗り越え…戒厳令、本会議場に向かう兵士ら 内乱罪は刑法で定められ、憲法秩序を乱す目的で暴動を起こした場合などに適用される。最高刑は死刑。 現職大統領には憲法で不逮捕特権が保障されているが、内乱罪は例外のため、尹氏を逮捕・起訴することができる。韓国の憲法は84条で「大統領は、内乱または外患の罪を犯した場合を除き、在職中に刑事上の訴追を受けない」と規定する。7日に尹氏に対する弾劾訴追案が仮に否決されても、尹氏に対する捜査は継続する。 尹氏は検察トップの検事総長を務めた後、大統領に就任した。今回、古巣から捜査を受けることになる。 金氏は、戒厳令に基づき発足した戒厳軍を事実上、指揮した。軍検察は6日、金氏や戒厳司令官を務めた朴安洙(パク・アンス)・陸軍参謀総長ら戒厳令に関与したとみられる軍人10人を出国禁止措置にしたと発表した。 金善鎬(キム・ソンホ)国防相代行は6日、戒厳令に関連した各軍の指示事項などの資料を保管し、廃棄や隠蔽(いんぺい)工作などをしないよう指示した。「関連資料の提供要請に積極的に協力する」としている。【ソウル福岡静哉、日下部元美】