左右の両輪がラストシーズンに懸ける日本経済大 最速147キロの渕上竜椰とオープン戦好調な蛭子凌太郎 7日開幕の福岡六大学野球
福岡六大学野球の秋季リーグ戦(西日本新聞社後援)が7日、北九州市の九共大野球場で開幕する。春のリーグ戦で九産大と優勝を争いながら、直接対決で敗れて2位に終わった日経大が2006年春以来、18年ぶりの優勝を目指す。(前田泰子) ■卒業から2年、福大同期が1軍舞台で再会2ショット【写真】 投手陣を引っ張るのは右の渕上竜椰(4年・早鞆)と左の蛭子凌太郎(4年・佐伯鶴城)の左右のエースだ。渕上は春のリーグ戦で7試合に先発し3勝1敗。蛭子は救援、抑えで7試合に登板し1勝1敗だった。 最速147キロの渕上は春の九産大戦で先発したが、2回3失点で交代。「勝ち点がかかった大事な試合でいい投球ができずKOされてしまった。必要以上に力が入って空回りしたと思います。どの相手にも常に同じ気持ちで投げなければ」とメンタル面を要因に挙げる。投球フォームを見直すなど秋へ向けて調整は順調。「挑戦者として向かっていく気持ちを忘れずに投げていきたい」とラストシーズンで九産大との再戦を楽しみにしている。 蛭子はホンダ熊本とのオープン戦で3回無失点に抑えるなど、社会人チームに対しても好投し秋のリーグ戦へ向けて手応えを感じている。春はシーズン終盤で肘や肩の疲労が出たため、リーグ戦後は体のメンテナンスに力を入れるようになった。「最後まで疲れが出ないように、やれることはやっておきたい」としっかり準備してラストシーズンに臨む。 2人の目標はもちろんリーグ優勝だ。「自分にとっても、みんなにとっても勝負の秋。これまでの先輩の思いも込めて投げたい」と渕上。「今季は1敗も許されない。自分も投げる試合は全部ゼロで抑える気持ちでいきたい」と蛭子も優勝へつながる投球を誓った。 シーズンの成績次第ではプロ入りの目標に近づくかもしれない2人。「プロへ行くにはこのままではダメなので、どんどんアピールしていきたい」。優勝とプロの二つの夢を追いかける渕上は力を込めた。 【展望】4季連続優勝を目指す九産大は春に最優秀選手賞(MVP)に輝いた浦田俊輔(4年・海星)が1番に座り打線を引っ張る。投手も春4勝を挙げた水崎(3年・沖学園)、春の防御率1位(1・09)だった大嶋(3年・西日本短大付)ら安定感のある右腕がそろう。2006年春以来の優勝を狙う日経大は林(4年・日南学園)、富島(4年・美里工)らを軸とした強力打線も持ち味。九共大は左の佐々木(2年・情報科学)が安定している。福工大は春の三冠王、誉田(4年・福岡工大城東)が攻守の軸となる。明治神宮大会出場を懸けた九州大学野球選手権に出場するのは優勝チームのみ。勝率で争われる今季は1敗も許されない厳しい戦いが繰り広げられそうだ。