石岡一センバツ初出場 第3部・支える人/中 女子マネジャー3人 /茨城
<第91回選抜高校野球> ◇チーム結束にも貢献 躍進の陰で献身的な働き 開幕が23日に迫ったセンバツに向け、胸を高鳴らせているのは選手ばかりではない。金子さくらさん(2年)、阿部千夏さん(1年)、鈴木咲依さん(同)の女子マネジャー3人も選手以上に夢舞台を心待ちにしている。 【熱闘センバツ全31試合の写真特集】 3人の存在を抜きにチームの躍進は語れない。精力的な仕事ぶりがそれを物語る。授業が終わると選手の誰よりも早くグラウンドに到着。見学に訪れるOBらのため、バックネット裏の簡易ベンチをきれいに拭きあげ、お茶を出してもてなす。中学時代はソフトボール部員だった阿部さんは「周りへの目配りと心配りを大切にするようになった」と成長を自覚する。 一番の仕事が食事の準備。連日の厳しいトレーニングに耐えられる体作りのためにも、練習の合間の「補食」は欠かせない。2升用の炊飯器を使って米を炊き上げ、食べ盛りの選手の胃袋を満たすため、時には豚汁やカレーライスを作って振る舞う。中学時代から高校野球のマネジャーに憧れていたという鈴木さんは「冬場は水が冷たいので、洗米は想像以上に大変だった」としみじみ話す。 仕事場はグラウンドにもある。練習中はノックをする川井政平監督(44)の傍らに立ち、ボールを手渡す補助役を任されることも。練習試合ではスコアの記録も大事な役目だ。小学生の頃から兄が所属していた少年野球チームの応援に駆け付けていた金子さんは高校入学後にスコアの書き方を習得した。 苦労は多いが、3人は決して弱音を吐かず、笑顔を絶やさない。上級生の金子さんは入部当初、選手との間に距離感があったと振り返るが、「選手が悩みを打ち明けてくれるようになった」と、心が通い合ってきたことを実感している。マネジャーとしてのやりがいを感じる時は「選手から『ありがとう』と感謝された瞬間」と口をそろえる。 マネジャーにとっても甲子園は晴れ舞台。「選手が思いっきり活躍できるようにサポートしたい」(鈴木さん)、「マネジャーとして自分がその場(甲子園)を経験できるのがうれしい」(阿部さん)と気持ちを新たにしている。記録員として甲子園でベンチ入りする金子さんは「メンバーから漏れた選手のためにも頑張りたい」と秘めた決意を語る。選手も3人の献身的な働きに報いようと、結束を強めている。