神戸が常勝軍団に変わったきっかけは3年前 当時指揮の三浦淳宏氏の熱血指導 その「熱」を伝播する闘将役の登場
◆明治安田J1リーグ▽最終節 神戸3―0湘南(8日・ノエビアスタジアム神戸) 神戸がクラブ史上初の2連覇を果たした。最終節で湘南を3―0で下して勝ち点を72に伸ばし、初優勝した昨季に続く頂点に立った。2連覇は20、21年に達成した川崎以来で6クラブ目。広島、町田を含む3チームで最後まで優勝を争ったシーズンを勝ちきり、11月の天皇杯に続いて2冠を獲得した。 * * * * 常勝軍団へと変わっていくきっかけの一つは、3年前にあると思っている。21年はリーグ最高順位となる3位でフィニッシュ。夏に加入した大迫、武藤らがチームを引っ張り、当時指揮を執っていた三浦淳宏監督の“熱血指導”もあって中坂勇哉、初瀬亮ら出場機会に恵まれずにいた選手が輝きを取り戻していく姿は印象的だった。 「朝、起きたらやることは心の準備だ」「(練習開始1時間半前の)朝8時に来い」。監督が当時23歳だった中坂に伝えた内容だ。年齢的には大人のJリーガーにかける言葉としてはあまりに厳しいが、選手の潜在能力を評価し、成長を強く願っていたからこそだった。 クラブは昨年、悲願の初V。若手を鼓舞し続けたベテラン勢の功績も大きく、大迫は毎週計測される体重測定でも仲間の数値の上昇に目を光らせていたという。「もったいない選手が多い。いかにうまく刺激を与えるかが僕らの仕事」と話す姿は、2年前の指揮官とダブった。選手からも闘将役が出てきたことで、チームにはいっそう「熱」が伝わった。資金やタレントは豊富でも、どこか淡泊で勝負弱かった集団に必要だったのは、こんな熱さだったのかもしれない。(19~24年神戸担当・種村 亮)
報知新聞社