海の森、カヌー会場は7割完成 東京五輪施設を報道公開
[映像]東京五輪施設の建設現場を報道公開(2019年2月12日)
東京五輪・パラリンピック開幕まであと1年半。東京都は12日、競技会場となる「カヌー・スラロームセンター」や「東京アクアティクスセンター」「有明体操競技場」など5会場と選手村の建設現場を報道陣に公開した。来年夏の開幕に向け、一部で工期遅れがみられる会場もあるが、全体的に工事は順調に進んでおり、多くは年内に完成する予定だ。 【動画】東京五輪まで2年 海の森やカヌー会場建設を報道公開(2018年7月)
●カヌー・スラロームセンター
葛西臨海公園の隣接地で建設が進むカヌー・スラロームセンター(東京都江戸川区臨海町)では、カヌー競技のスラロームが行われる。競技コースは長さ約200メートル、幅は平均約10メートル。4.5メートルの高低差をつけて、競技に必要な激流をつくり出す。完成すれば、国内初のカヌーの人工コースとなる。 昨年7月の報道公開時点では、競技コースはゴール付近以外、まだコンクリートで固められた躯体(骨組み)はできていなかったが、今回の報道公開では、スタート地点やポンプ施設などの躯体工事が進んでいる様子が確認でき、コースの全体イメージがより鮮明になった。
1月末時点の工事の進ちょく率は74%。ただ同会場の工事では、管理棟の工事を担当していた建設会社が経営破綻し、昨年10月に工事が中断。再入札で新たな建設会社が決まり、今年1月に工事を再開した。これによって、管理棟以外は予定通り今年5月の完成予定だが、管理棟については12月まで完成がずれ込む見込みだ。整備費は約73億円。 この秋10月25~27日には、テストイベントが予定されている。都は仮設の更衣室やトイレといった管理棟の機能を代替する設備を用意し、予定通り開催するという。来年の五輪本番にも影響はないとしている。
●東京アクアティクスセンター
五輪の競泳、飛び込み、アーティスティックスイミング、パラリンピックの水泳の会場となる東京アクアティクスセンター(東京都江東区辰巳)。辰巳の森海浜公園内で工事が進む。 前回は、巨大な屋根をワイヤで釣り上げる作業の最中だったが、3回に分けて行われたこの作業は昨年7月に完了。今回は、約37メートルの高さまで引き上げられた屋根の姿を眺めることができた。室内では、メインプールやダイビングプールなどの工事が進む。