積雪・凍結・低気温…厳しい自然環境が育んだボルボのピュアEV「EX30」の走行安定性を本国スウェーデンで実感した
■滑る道でトナカイが飛び出してきても避けられる車両安定性能
ハンドルを操作したとき、あえてアクセルペダルを強めに踏むと、一瞬、後輪がより強い力で前に進もうとし、いわゆるリアが流れた状態になりますが、それも一瞬だけ。すぐに駆動力が制御され、車両は安定姿勢に戻ります。 「ドリフトは無理」と、アイストラックにいたボルボのドライビングインストラクターが言ったとおりでした。EX30ツインモーター・パフォーマンスで直線路に入るとき、パフォーマンスモードで前輪も常に駆動している状態にして、アクセルペダルを強めに踏むと、うわっと声が出そうな加速をみせます。直進性はいっさい乱れません。 そのあと強いブレーキングをしながらハンドル操作をしてみました。このときも前輪はしっかりグリップして、行きたい方向に車両はきちんと曲がってくれるのでした。 「滑るような道でトナカイが飛び出してきてもちゃんと避けられるはずです」と、インストラクターは自信を感じさせる笑顔で言うのでした。 スウェーデンはそもそも積雪に慣れているので、除雪はかなりていねいです。ただし路面は凍結しますから、摩擦係数が低い、つまりつるつる滑るのが冬の特徴といえるでしょう。そんな道ですが、ボルボEX30はかなり心強いパートナーでした。頼りになるEVなのです。
<文/小川フミオ>