佐渡ケ嶽親方「親として師匠としてうれしい」と涙 琴桜が初優勝
大相撲九州場所千秋楽は24日、福岡国際センターで行われ、大関・琴桜(27)=本名・鎌谷将且、佐渡ケ嶽部屋=が、21年ぶりとなった大関同士の千秋楽相星決戦で豊昇龍を破り、14勝1敗で初優勝した。父で師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)は「こんな日が来るとは思わなかった。親として師匠としてうれしい限り」と喜びを語った。 【写真で見る】鯛を手に 初優勝を喜ぶ琴桜 佐渡ケ嶽親方は、優勝のかかった豊昇龍との結びの取組を車の中のテレビで見守った。優勝が決まると報道陣の取材に応じ「よかったです、泣きましたね」と初優勝の感慨にふけった。 今場所の琴桜の躍進について問われると「下半身がぶれることがなかった」と話した。場所前の稽古(けいこ)では、新大関の大の里と胸を合わせて実践を重ねた。体のバランスを強化するために長年取り入れている体幹トレーニングの成果もあり「(体が)どっしりとしたから良い相撲が取れたと思う。勝っても負けても部屋に帰ってからは四股をふんでいた」と成長を認めた。 琴桜は祖父が第53代横綱・琴桜(2007年に66歳で死去)で、横綱・琴桜は5回の優勝を果たしている。綱取りへの期待が高まるかと問われると「琴桜はそこ(祖父)に並ぶのが夢」と話し「先代の師匠(祖父)の相撲はまねができないので、今の琴桜の相撲を磨いて」と期待した。 親子だが部屋では師匠と弟子の間柄となるため、普段は一線を引いているが「私が手の届かなかった賜杯をつかんでくれて親として師匠としてうれしい限りです。今日だけはちょっとだけ『親として』接しようと思います」と話し目を潤ませた。【林大樹】