ナダルに敗戦も錦織の健闘を海外メディアが評価「クレー躍進で自信つけた」
テニスのマスターズ・モンテカルロ大会の男子シングルス決勝が22日(日本時間23日)、現地のモナコで行われ、世界ランキング36位の錦織圭(28、日清食品)は同1位のラファエル・ナダル(31、スペイン)に3-6、2-6のストレートで敗れ、グランドスラムに次ぐ格付けの「ATPマスターズ1000」での初優勝を果たせなかった。一方のナダルは、マスターズで史上最多となる31度目の優勝。 海外メディアは、ナダルがクレーコート(赤土)での連続セット奪取数を36に伸ばすなど、クレーコートでの圧倒的な強さを称える記事の中で右手首の故障からの復活を遂げた錦織の健闘を伝えた。 スポーツ情報サイトのOlympic Channelは、「ナダルは飛ぶような動きで錦織のマスターズ初優勝を阻み続けた。だが、序盤は1-1とするのに11分かかるなど良くはなかった。錦織は素晴らしいパッシングショットを放ち第3ゲームをブレイクして2-1とリード。観客を引き寄せたが、次の4ゲームを連続して落とした」と試合経緯をレポート。 ATPワールドツアーの公式サイトは「ラファエル・ナダルが錦織圭を1時間33分の試合で6-3、6-2で下し、ロレックス・モンテカルロ・マスターズでの魔法のような1週間を締めた」と見出しを打った記事の中で錦織の復活に太鼓判を押した。 「錦織は4度目の決勝進出となるマスターズ大会の初制覇を狙っていた。(優勝はできなかったが)錦織は、ATPワールドツアー復帰以来、最高の成績を収めた。モンテカルロのクレーコートの躍進で自信を持つだろう」 また英国のBBCは、ナダルの優勝を伝える記事の中で「元世界4位の錦織は右手首の故障で4カ月間、欠場して1月に復帰したばかりだった」と現状を説明し、ナダルの錦織に向けての「素晴らしい1週間を過ごした圭におめでとうと言いたい。故障から復活するのはいつも大変なことだが、昨年の大きな故障(右手首)から復帰した。圭の素晴らしいプレーを見れてうれしい」というコメントを紹介した。 テニス情報サイトのTennis Worldは、ナダルと錦織は、過去に12度対戦して、これが10度目の勝利となったこと、そのうちクレーコートではナダルの4戦4勝で、2人の対戦は日本の錦織が勝ったリオ五輪以来という対戦データを伝えた上で、「今大会は錦織にとって2016年以来、最高のものとなった。トップ10選手のうち2人を破り、カナダ2016(ロジャースカップ)以来となるATPマスターズ1000大会での決勝進出を果たした。強力なライバル(ナダル)に打ち勝つには及ばなかったが、錦織は(ノーシードのため)1回戦からの戦いを余儀なくされ、ナダルと比較して5時間以上の試合時間を費やしてきた。そのこと(疲労)が今日のコートで表れていた」と、錦織が背負っていたハンディを敗因に結びつけた。そして、準々決勝で世界ランキング3位のマリン・チリッチ(29、クロアチア)を、準決勝では、同4位のアレクサンダー・ズベレフ(21、ドイツ)をいずれもフルセットの上、続けて倒した試合内容を評価した。 来月27日に開幕する全仏オープンに照準を絞っている錦織は、23日に開幕するバルセロナ・オープンに第14シードで出場予定。2014年、2015年に連覇し、2016年も準優勝している相性のいい大会で、初戦となる2回戦で、世界ランク43位の杉田祐一(三菱電機)と同68位のギジェルモ・ガルシア ロペス(スペイン)の勝者と対戦する。そして、その試合を突破すれば再びナダルと対戦する可能性がある。