ネタツイートから生まれた小説が書籍化 『横浜駅SF』著者・柞刈湯葉さん
映像化を目指してこんなふざけた話を書く人はいない
――漫画化や映像化の希望はありますか。 僕の作品について言えばメディアミックスを目標にしてはいません。そのほうが自由に書けますし。というか映像化を目指してこんなふざけた話を書く人はいません。僕もその程度には正気です。 メディアミックス全般に関して言うと、メディアの性質に合わせて内容はおもいっきり変更すべきだと思っています。たとえばドラクエのストーリーを忠実に漫画にしたら、単に「勇者が魔王を倒してハッピーエンド」だけの話で何も面白くないですね。RPGは誰でも楽しめるようにストーリーはあえてシンプルにしてる訳です。漫画にするなら『ダイの大冒険』や『ロトの紋章』くらい全面的に書きなおすべきでしょう。 小説と漫画・映像はそこまで極端ではありませんが、小説だからこそ面白い表現をそのままメディアミックスしちゃう例というのは結構見ますね。原作忠実というのは原作ファンへのサービスにはなりますが、ファンサービスは作品の良さではありません。 ――今後書きたい物語、または執筆中の物語はありますか。 横浜駅がだいぶ重い話だったので今は気楽な学園コメディを書いています。四国が移動したりする話です。 (齊藤真菜)