“理想のタスク管理”を追求した男が最後に辿り着いた「宇宙の物理法則」…“生きる意味”がタスク管理の出発点だ
● 未知の自分を探求するのも 重要な人生目的のひとつ 人生目的の3段階目は、「まだ知らない自分を探求する」ことです。 自分の人生の目的がまだ明確でなかったり、書き出せないと感じたりしていても心配する必要はありません。まだ見つけられていないか、出合っていないだけだからです。一度も病気になったことがない人が、「健康になりたい」と願うことがないのと同じです。 【暫定的な目標を設定する】 現時点での目的は暫定的なもので構いません。これにより、人生の方向性を持ちながら、新たな発見や経験を通じて目的を更新できます。 目的をまったく持たないのではなく、暫定の目的を設定しておくことで行動しやすくなります。 【更新の必要性】 人生目的は、時間とともに変わっていいのです。新しい経験や学びを通じて、自分にとってより意味のある目的に出合うこともあります。その際には、目的を更新することで、常に自分にとって最良の人生を追求できます。 心理学者であるミハイ・チクセントミハイ氏は「フロー理論」で、人間が最も幸せで充実感を得られる瞬間は、挑戦的な活動に完全に没頭し、自分のスキルを最大限に活用しているときであると述べています。 未知の自分を探求することは、新しい挑戦や活動に取り組むこと。これによって、フロー状態を経験しやすくなります。すると、人生目的を見つける過程がより充実したものになるのです。 ● 人生目的を選ぶ際には バランスを重視しよう 人生目的は、1つに絞るのではなく、複数の目的をバランス良く選ぶことが大切です。なぜなら、特定のことに集中しすぎると、他の重要なことに対する意識が薄れるからです。トンネルの中にいると外界が見えなくなるように、視野が狭まった状態を「トンネリング状態」と言います。 社会的に卓越した評価を得た人でも、仕事に注力しすぎた故に家庭環境が破綻することは珍しくありません。スティーブ・ジョブズ氏はその代表的な例です。ジョブズ氏は、娘リサとの関係において複雑な歴史を持っています。彼はリサの母親との関係がうまくいかなかったため、リサの認知を拒否し、初期には彼女の生活に関与しませんでした。 こうした事態を避けるために、コーチングの分野では「人生の輪」というフレームワーク(下図)を活用します。