サラリーマンが定年後も働いた場合、国民年金・厚生年金はどのくらい増える?元公務員がポイントを解説
今年度の上半期や今年度末をもって定年となる人は、その後のライフプランをどのように描いているでしょうか。なかには「今の会社で働き続ける」「違う会社に再就職して収入を得る」というように、定年後も働こうと考えている人もいるでしょう。 ◆【写真5枚】定年後も働いたら年金はどれくらい増える?一覧表を見る 定年後も働くと、収入を得られるだけでなく、年金受給額を増やせます。年金受給額が増えれば、老後の生活にゆとりを持つことができます。しかし、どれだけ受給額を増やせるのかは気になるところ。特に受給開始となる65歳からはどのようなペースで働くとよいのでしょう。 この記事では、定年後に働いた際に増やせる年金額を、基礎年金・厚生年金に分けて解説します。また、定年後に働く際の注意点についてもお伝えします。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
会社員が納めている「年金保険料」とは?
私たちが年金を受け取るには「年金保険料」を納める必要があります。会社員の場合に納めるのは、「国民年金保険料」と「厚生年金保険料」の2つです。 日本の年金制度は2階建てとよばれる仕組みになっています。 1階部分の国民年金は、20歳から60歳までの国民が全員加入します。2階部分の厚生年金保険は、会社員や公務員のみが加入できます。保険料の負担は増えますが、その分年金を上乗せできるため、自営業の人や専業主婦よりも多くの年金を受け取れるのが特徴です。 2024年現在の国民年金保険料の金額は、月額1万6980円です。また、厚生年金保険料の金額は「標準報酬月額×18.3%」で、うち半分を自身で負担、もう半分を事業主が負担します。 では、国民年金・厚生年金は、定年後も働いた場合にどれだけ増えるのでしょうか。次章で解説します。
「老齢基礎年金」はいくら増えるのか
老齢基礎年金(国民年金)は、20歳から60歳までの40年間加入する年金です。この間にすべて保険料を納めていれば、基礎年金は満額受給となります。基礎年金が満額となるとそれ以上受給金額を増やせないため、会社員は基本的に基礎年金を増やす術はありません。 ただし、60歳になった時点で基礎年金の受給資格を満たしていない場合や、保険料を納めておらず満額受給できない場合は「国民年金への任意加入」が可能です。任意加入は60歳から65歳までの間で基礎年金へ任意で加入することで、受給額を満額に近づけられる制度です。 しかし、任意加入の条件の一つとして「厚生年金保険に入っていないこと」があるため、制度を使うには、60~65歳まで厚生年金が適用されていない企業で働く必要があります。 2024年の基礎年金の満額受給額は、月額6万8000円です。年金額は物価や賃金の変動によって改定されるため、今後安定した経済成長が続けば、私たちが受け取る年金は多少増額されると考えられます。