「保育園落ちた、ゴミだな日本」3人育児の「シングルマザー」が保活失敗の衝撃。悩んだ末にたどり着いた答えとは
怒りをあらわにしてそう話すみちるさんだが、元夫と結婚した頃は、子供ができたら会社を辞めて専業主婦になり、育児に専念する生活を夢見ていた。 「3人目の妊娠中、夫が不倫して泥沼になってしまい、結局別れるしかなくなってしまいました。頭がおかしくなりそうな状況でしたが、子供のために離婚は避けたかったので『仕方ないから許す』とわざわざ私から譲歩したのに、夫は不倫相手の方へ行ってしまったんです」 夫に裏切られた心の傷も癒えていない時期に、孤独に耐えながら出産したみちるさん。 「もちろん育児はワンオペです。心身ともにボロボロの状態でした。でも、生活は待ってくれません。つらさと不安しかなくて、子供が無事に生まれた喜びを噛みしめる余裕さえありませんでしたね」 小学2年生、年中さん、もうすぐ1歳になる第3子と、みちるさんは3人の幼い子の育児を身内の手を借りずに頑張っている。 「落ちた理由は母かもしれません」
自宅からかなり近距離に実母が住んでいるというみちるさん。 「母とは1年以上連絡も取っていませんが、母は60歳未満で無職なので、減点対象になってしまったのかも…。『ひとり親加点』と『きょうだい加点』があるので、余裕で通ると思っていたのに」 母は、みちるさんが高校生の時に父と離婚したという。みちるさん自身の離婚後は、いろいろと世話になったそうだ。 「母は離婚後いろんな男とつき合っていましたが、2年ほど前、年下の男と再婚しました。母は亡くなった祖父から貰った不動産を売り、会社も早期退職したんです。男と楽しく過ごしたかったんだと思います」 みちるさんの強い反対を押し切って結婚してしまったという母。 「転職を繰り返しては母にお金をせびってギャンブルに精を出すような男です。私はそいつが本当に嫌いで、そんなクズに入れあげている母を見るのがイヤで、どんどん実家に足が向かなくなりました」 みちるさんは現在、実母を頼れない状態にあるが、申し込み書類には細かな人間関係を書く欄はなかった。 「どんなに私が母を信用していなかったとしても、住所だけ見れば『近くに住んでいる頼れそうな実母』でしかない。私がどんなにつらい思いをしてきたかなんて、申し込み書類なんかではわからないんです」 きょうだい加点やひとり親加点は強力な「選考通過ポイント」だと信じて疑わなかった、とみちるさんは言う。 「当然、真ん中の子供が通っているのと同じ園を第1希望にしました。でも、その保育園は凄く人気がありますし、1歳児クラスは育休明けで預けたい親が殺到するので、特に希望者が多いようなんです」 シングルマザーとなったことも、1歳の子供を保育園に預けて職場に戻ることも、たった1人の母親さえ頼れないことも、何もかも不本意なことばかりなのに、保育園の入園選考に見放された、とみちるさん。 「でも、早く行動しなければならず、いつまでも落選に涙しているヒマはなかったですね」 ひとまず二次募集に賭けてみることにしたというが、周囲の話から望みは薄い気がしているそうだ。しかし、日々不安で鬱々としていたみちるさんに、さらなる追い打ちをかけたのが、第2子の保育園で親しくなったママ友が放った「ゼロ歳児から入れなきゃダメだよ」「落選狙いに思われちゃうよ」といった心ない言葉。そして、別れた夫の「冷酷非道」ぶりだったという。 関連記事【後編はこちら】シングルマザーの保活のヤバさとは...にて、その冷酷非道ぶりを詳報する。 ※この記事は取材に基づいていますが、取材対象者保護の観点から必要に応じて編集を加えておりますことをご理解ください。 取材・文/中小林亜紀 PHOTO:Getty Images
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