男子トイレの密室と片言の日本語「サワッテ、ダイジョブ?」被害者は18歳男子高校生《同意の有無》どう認定? 急増する不同意性交罪
去年11月、商業施設の男子トイレ内で当時18歳だった男子高校生に対しわいせつな行為をしたとして、不同意性交等罪に問われていた70代のアメリカ国籍の男に対し、ことし11月、有罪判決が言い渡された。男は「同意はあった」として逮捕時から一貫して無罪を主張していた。第三者の目の届かない密室、そこで行われた行為の「同意の有無」を、裁判所はどう判断したのか? 【写真を見る】男子トイレの密室と片言の日本語「サワッテ、ダイジョブ?」被害者は18歳男子高校生《同意の有無》どう認定? 急増する不同意性交罪 ■背中丸めた高齢外国人 不同意性交等罪に問われているのは、アメリカ国籍の71歳の男。19年間日本に滞在しているが、会話の相手はもっぱら日本人の妻だったため、日本語はほとんど話せないという。妻は既に他界。 法廷にはいつも白いシャツと黒のスーツで出廷。背は高いが背中を丸めてトボトボと歩く。褐色の髪の頭頂部は薄い。出廷後、手錠と腰縄を外され、法廷通訳の声が聞こえるイヤホンをつける。耳に入る母国語の響きに、緊張の中にも少しの喜びと安堵を感じているように見えた。裁判はすべて、通訳を介して進められた。 ■腕をつかんで個室に… 起訴状によると、男は去年11月10日の午後4時54分頃~午後5時45分頃までの間、商業施設の男子トイレで当時18歳の男子高校生に対し、小便中にいきなりその陰茎を手でつかみ、その腕をつかんでトイレ個室内に引き込むなどの暴行を加えると共に、性的行為が行われると予想していなかった男子高校生を、恐怖または驚愕させたことにより、同意しない意思を全うすることが困難な状態にさせ、男子高校生の陰茎を手でつかみ、その手を前後に動かすわいせつな行為をした上、陰茎を自己の口腔内に挿入して口腔性交をしたとされている。 ■「マジ気持ち悪い」 検察官は裁判の中で、男子高校生が当時、商業施設で友達と待ち合わせをしていたこと、被告の男とは男子トイレ内で初めて会ったことを明らかにした。 犯行の状況については、小便器で用を足していたところ、突然被告に陰茎をつかまれパニックになった、無理やりトイレの個室に引き込まれ恐怖を感じた、頭を押しのけて抵抗したものの口腔性交された、など、男子高校生の供述をもとに主張。