家賃を支払えない…困っている人を支える「生活困窮者自立支援制度」 生活保護との違いは?
身近な「社会保障」に関するテーマを、Q&A方式で分かりやすく解説します。 【図解】経済的に苦しい世帯の子への学習サポート どんなもの?
市町村などに窓口
Q 生活困窮ってどんな状態ですか。 A 失業や病気、借金などで暮らしに困っている状態です。「離職し、家賃の支払いが難しくなった」「長年ひきこもりで社会に出るのが怖い」など様々なケースがあります。抱える問題が複雑に絡み合い、誰かの助けを借りなければ生活を立て直せない人もいます。 Q そんな時に助けてくれる仕組みはありますか。 A 「生活困窮者自立支援制度」があります。市区町村などの窓口で相談を受け付けており、専門の支援員が相談者の希望を踏まえながら、一人ひとりに合った支援プランを作ってくれます。 Q どんな支援を受けられますか。 A 家賃を滞納してアパートを退去せざるを得ないといった事情で住まいを失った人や、失いそうな人には3~9か月間、家賃相当額を支給し、住居を確保した上で求職活動ができるよう後押しします。住所がなければ就職が難しいためです。ひきこもりの期間が長くなり、すぐに一般企業に就職するのが困難な人などを対象に、生活リズムを整えられるよう朝起きて集まりに参加する機会や、1日だけ働いてみるといった就労体験の機会を提供します。働くことへの自信をつけてもらう狙いです。 借金や税金の滞納がある人などに、自身の収支を把握するといった家計管理の方法をアドバイスします。子どもへの学習支援や進路相談にも応じます。 Q 生活保護とは違うのですね。 A 生活保護が必要になる前に手助けし、早く自立できるようにするのが目的です。最低限度の生活を送れるように、主に食費などの生活費や家賃を支給する生活保護とは異なり、基本的に現金給付ではなく、経済的、社会的な自立に向けたサポートが特徴です。
低利の貸し付けも
Q 一時的にお金に困った場合はどうすればいいですか。 A 都道府県の社会福祉協議会による「生活福祉資金貸付制度」があります。所得の低い人や障害のある人、高齢者を対象に相談に乗り、生活費のほか、介護や子どもの教育などで一時的に必要な資金を無利子や低利で貸してくれます。利用をためらわず、市区町村の社会福祉協議会の窓口で相談してみてください。